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カテゴリ:2nd ライフ
「オーマイニュースの挑戦」 韓国「インターネット新聞」事始め 呉連鎬 /大畑龍次 2005/04 太田出版 単行本 262p 原書2004 ★★★★★ 日本のおけるインターネット社会の「成功譚」も少なくはないが、「ウェブを進化させる人たち 」のように浮き上がった話しばかり聞かせられると、ちょっとうんざりとしないわけではない。さて、かたや、この本はお隣のインターネット「先進国」韓国における成功譚である。 民間の二流紙(すみません)をドロップアウトした若い記者が、インターネット上において、「市民みんなが記者」というモットーで、インターネット「オーマイニュース」を「創刊」し、その運営を拡大していくプロセスを、本人自らが綴ったドキュメンタリーだ。 2000年に創刊し、その後の盧泰愚大統領誕生の際に、大いに名を上げたということである。その経緯については、隣国とは言え、それぞれの事情があり、ひとつひとつの現象については、こまかくコメントすることはできない。ただ、著者がいうところの「保守80:革新20」の韓国の政治事情と、わが国の小泉旋風時代の日本の風土を、単純に比較することはできない。 インターネットにおける同時期の日本の似たような現象としては、「2ちゃんねる」のことを思い出すが、かたや左傾化の傾向があり、かたや「右傾化」の傾向を指摘されていたりすることは面白いところだ。個人的にはどちらがどう、ということはないが、かならずしも「オーマイニュース」の「成功」をうらやましいともおもわないし、日本にこれがほしい、とも思わない。 日本版の「オーマイニュース」というものも存在しているようだが、さて、韓国におけるようなパワーを発揮できているのだろうか。 こんな皮肉ばっかり書いている自分だが、本当のところの本心を書いているのだろうか、と自分ながら、ちょっと不自然さを感じる。皮肉っぽくなっているのは、すこしすねちゃっている部分もあるからだろうし、素直じゃなくなっている部分もあるからだと思う。社会的成熟度では、どちらがどう、というつもりがないが、少なくとも、韓国のほうがまだ「弾力」がのこっている感じがする。日本の社会はちょっと「くたびれて」いるのではないだろうか。 それと、このブログのことを考えてみたときに、少なくとも、インターネット上の「ジャーナル」を標榜するかぎり、「オーマイニュース」の成功譚にはすなおに耳を傾けておく必要があるのではないかと思う。今思えば、あまりに謙虚だが、最初、せめて一日2000アクセスを目指したという彼らの、その努力や仕組みを素直に賞賛すべきなのだと思う。 民主主義やインターネット、あるいは、あたらしいジャーナリズムを考えていくなら、「オーマイニュース」の話題は、きちんと整理しておく必要を感じる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.02.04 10:41:03
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