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地球人スピリット・ジャーナル1.0

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2009年4月1日

地球人スピリット
・ジャーナル2.0


へ引越しました。

2007.11.04
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テーマ:私のPC生活(7397)
ラジカルなパソコン入門.jpg
「ラジカルなパソコン入門」 岩谷宏 1989年07 筑摩書房 202p
No.866★★☆☆☆

 階違いの閉鎖書庫から掘り出してきた図書館の職員が、「だいぶ前の本ですが、これでいいですか」とこちらの顔をみて聞いてきた。もちろん、これでいいんです。これを読みたかったんだよね。にこりとした。たしかにかれこれ18年前の本。この年、平成元年に生まれていれば、すでに高校三年生か。その子ども達はいまや
モバゲータウンに夢中で、ケータイもなく、ネットもなかった時代なんて想像もできず、ましてや「ラジカル」って、ラジオ・カルチャーの略かな、なんて思うかもしれない。

 
岩谷おっかけ2ndライフ・カテゴリが108に達成してしまたので、こちらのシンギュラリタリアン・カテゴリに移ってきた。著者には「ラジカルなコンピュータ」がある。いよいよ著者はラジカルって言葉がすきらしい。もちろん、この言葉はラジオ・カルチャーの略でもないし、ラジニーシ・カルトの略でもない(って、いきなり造語はどうかと思うが・・・クール)。著者が意味しているのは明らかに、ノンセクト・ラジカルのラジカルで、急進的という意味だ。過激派ってことを自称するときにつかう言葉だね。

 1989年のラジカルなパソコンって言ったって、それから18年経過して、なにをどう言ったって、ラジカルなわけがない。いちいち比較はしないけれど、それは無理だ。自転車とFIカーとの違いくらいの性能の差があるはずだ。あるいは利用範囲で言えば、もっと違うかもしれない。だけども、自転車をこいでいる人間も、F1を運転している人間も、その運転技術の向上はともかくとして、人間そのものにはそれほどの変化はない。

 何冊かの岩谷本を、時代まちまちに読んでみたが、その一言居士的姿勢には変化はない。つねに何事かを前に前に推し進めようとしている。そして、その大部分は、岩谷の指摘する方向へどんどん進化してきた。もちろん、まったく手付かずに残されてきたことも多いが。

 
閉鎖社会を打破し、パーソナル・コンピュータによる通信を軸とする、公開的な、コミュケーティブな社会を作り上げること。これが未来のパーソナル・コンピュータ・ネットワーク・システムの究極の目標です。
 そして、パブリック・ドメインとして練り上げられていく基本オペレーティング環境も、その精錬の過程を導くものは、この目標です。
p175

 って、もう、この「究極の目標」とやらは、かなり実現されてしまっているのだ。そして、それは、決して、オメガ・ポイントとして存在しているわけではなく、限りなくバグを生み続ける未完の連鎖であることも分ってきた。

 スピルバーグなどの映画を初めとして、コンピュータに対する非常にバカバカしい想定を背景としたSF映画やSF小説がまかり通っています。これもまだ社会一般にコンピュータが”神話”でしかないから、成り立つ現象です。p176

 さぁ、このへんはどうかな。私なんかは、これからようやくスピルバーグの
「スターウォーズ」でも見ようかな、という段階だ。最近じゃぁ、さらにすすんで「マトリックス」とやらが大ヒットということだ。当時の岩谷の言説を、どうのこうのいう資格はない。しかし、1989年の段階で、この本のような「ラジカル」な視点を持ち続けていた岩谷は、2007年の現在、いったい、どんな活動をしているだろうか。このブログでは、そんなことを、ゆっくりゆっくり手繰りよせているところだ。

 
Communicationの語義変化がおきた60~70年代は、たとえば人間の対自然関係は、オペレータ/オペランド関係として貫徹されるべきものか、という疑問と反省が生まれた時代でもあります。
 政治という言葉で代表される人間組織体の運営概念は、規定的表現による支配・統制、規制等であることが、究極の理想的姿ではない(らしい)ということだが、気付かれてきたのもこの時代です。もちろんこれは、意識のなかで明示的に守護される思想にまで有形化してはいませんが、当時世界中いたるところで起きた反乱(”新左翼”とか”文化大革命”などを生んだ反乱現象)の根底には、このような予感があったはずです。
 ”新左翼”は結局、政党(何らかの規定的表現を五時する中心組織)のようなものは作らなかったのですから---今のテロリスト集団のことはよくわかりませんが---、上記の見方はあたっているのではないでしょうか。”新左翼シンパ”の一人として申せば、彼らは、いやすべての人間は、今後もっぱら、コミュニケーションを目指すべきなのであります。そして、従来の左翼思想の唯一最大の欠陥が、コミュニケーションという観点がないことなのです。
p181

 ここで私は、彼自身の表現力や語彙の正確さについてなど述べる資格はない。ただ、これが書かれているのは、ソビエト崩壊や、リーナス・トーバルスがリナックスを生み出す以前に語られているという重要性についてである。最近、ネグリ&ハートを中心として、あらたなる”主体活動”に対する哲学的思索が始まっている。誰がどう、ということはできないが、すくなくとも、ここで岩谷が表明しようとしている地下マグマのようなものは、大変な量と質をもって胎動しているのであり、このような地価マグマがあったればこそ、リナックスが始動し実行力を持ち始め、いまふたたびマルチチュードというような概念も浮上しようとしている、と思えるのだ。

 古くてあたらしいこの本は、自分の中で眠っていた<なにか>についての表現力に火をつけてくれる。ますます最近の岩谷について気になる。





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Last updated  2009.01.22 08:54:31
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