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地球人スピリット・ジャーナル1.0

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2009年4月1日

地球人スピリット
・ジャーナル2.0


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2008.10.21
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カテゴリ:環境心理学

「チベットの死者の書-サイケデリック・バージョン」
ティモシー リアリー / リチャード アルパート / ラルフ メツナー(著)、 菅 靖彦 (翻訳) 1994/04 八幡書店 原著 「The Psychedelic Experience: A Manual Based on the Tibetan Book of the Dead 」1964
Vol.2 No.336 ★★★☆☆

 

 「チベットの死者の書」と言っても、他の原典訳や、その宗派で伝統的に守られてきた経典と考えてはいけない。これはあくまでサイケデリック・バージョンだ。いや、直訳であれば、「チベット死者の書に基づくサイケデリック体験マニュアル」とでも翻訳されるべき本だ。あえて他の本との比較で、その最初をピックアップしてみると・・・。

おお(航海者の名前)よ
新しいレベルのリアリティを探究する時がきた
あなたの自我とそのゲームは終わろうとしている
あなたは光明(クリアーライト)に直面しようとしているのだ
光明を実際に体験しようとしているのだ
自我から自由になった状態では、万物が雲のない空虚な空に似る
そして焦点をもたない裸の知性は透明な真空に似ている
この瞬間、おのれ自身を知り、その状態にとどまれ 
 p145

 この本が日本に翻訳紹介されたのは1994年だが、もともとの英文の原著がアメリカで出たのが1964年。実に30年前のことであった。もっとも、このブログを書いている2008年から見れば、すでに半世紀近い時間のギャップが存在していることになる。

 リチャード・アルパート(のちのラム・ダス)と、ティモシー・リアリー、そしてラルフ・メツナーの三者による本書は、LSDが話題をさらっていた1960年代初頭に書かれたものであり、まだ非合法化されなかったかの薬物の効能と実験についての、積極的な提言であった、と、とらえることができる。

 ちなみに、ビートルズの「リボルバー」と呼ばれるアルバムの中に収録されている「トゥモロー・ネバー・ノウズ」という曲は、ジョン・レノンがLSDによってハイの境地に浸りながら本書を読んだときに沸き上がってきたインスピレーションから生まれたものだと言われている。p233

 たしかにビートルズにはそのように噂された曲は、いろいろあるが、[Revolver / Beatles」の中の「Tomorrow Never Knows」もその一つだ。このYouyubeのapple制作の動画を見ると、なんとなくそんな雰囲気を暗示しているような感じがしないでもない。もっとも、レノン自身は「回想するジョン・レノン」などを読む限り、必ずしも、そのように明言はしていない。

 60年代のアメリカ文化を理解するには、その「サイケデリック・シンドローム」を背景とした、ジミー・ヘンドリックスジャニス・ジョップリンなどの活躍などを念頭に置かなければならない。1973年に出た、おおえまさのり訳「チベットの死者の書」はこのような経緯を踏まえたうえで理解しないと、なぜここでこの書がでてきたのか、いまいち分からないことになる。そして、さらに、1989年になって、川崎信定がわざわざ「原典訳」と銘打って、この「チベットの死者の書」をチベット語から直接訳出したのも、そのような流れに抗する立場からであっただろうと、推測される。

 これらの「バルド・ソドル」ではないが、ゲルク派が独自に「チベット死者の書」(「クスムナムシャ」)を押し出してきたのも、「いいかげんな」チベット密教経典の解釈が横行することを懸念したからだったかもしれない。

 さて、サイケデリックな旅とチベット密教や瞑想とを類似なものと見るかどうかは難しいところだが、Oshoは1971年にすでに「LSD : A Shortcut to False Samadhi」 において、LSDは、悟りへの間違った近道、と厳しく糾弾している。当ブログもこの点において、師の教えに従うことをよしとする。

 さて、このサイケデリック・バージョンが、ニューエイジ系の翻訳者・菅靖彦を得て1994年に日本で出版されたというのは、象徴的であるように思う。出版元は八幡書房。当時売出し中の電脳サングラス「メガ・ブレイン」や、その効果音としてのCDの販売とのメディア・ミックスで、この本が売られたということは留意しておく必要がある。この本が出た当時の時代背景がわかる。その翌年に、あの忌々しい事件が発覚するのである。






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Last updated  2008.10.21 22:25:01
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