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カテゴリ:バック・ヤード
<1>よりつづく このようなテーマの本があり、このような形で概観的になにごとかを括っておかなければ、ものごとは整理できないことはよく分かる。この本を読もうとしても、最初の意気込みとは裏腹に、途中からどんどんページをめくるスピードは速まり、最後は、ちり紙交換に出すために古新聞を縛っている時のような気分になる。 前回、この本を読んだ時も、いまいち喰い足らない本であるとは思ったが、かと言って、類書で好書といえるものもなかなか見つからない。今回も★2だったが、前回も★2つだったのを見て、自分なりに納得した。誰がどの地点でどのような意図を持って書いているのか、周辺情報を整理しないと、一概に一冊の本、として評価できないが、この本は、お祭りのあとの、醒めたピザのような味気ない一冊と言えるだろう。ソビエト共産主義を批判し、総括するにしても、そこからなにを引き出すのか、その辺がいまいちこの本から見えない。 著者は米国ハーバード大学歴史学名誉教授であり、レーガン政権時の国家安全保障会議でソ連・東欧問題顧問を務めるなどした(著者紹介)ということだから、この本において、自らが依って立つ基盤をうまく隠していたとしても、明らかに意図的に書かれた一冊であることは確かなことだ。つまり、なんであれ、「共産主義が見た夢」は間違いであり、ほとんどすべてが全否定されるべきプロセスであった、という結論に導かざるを得ない一冊であり、お寒い一冊でしかない。 団塊の世代が還暦を迎えたせいか、最近は、彼らが青春時代を送った60年代から70年代初頭を振り返るテレビ番組の特集が何回か放映されたことがあった。多くは東大安田講堂や日大全共闘の「活躍」を悲哀を込めて振り返るものであり、そこから導き出される結論は、必ずしも明るい夢へとつながるものではない。むしろ、後悔の情に満ち満ちた青春時代の酸っぱい思い出、という味付けである。 それはそれでいいのだろうが、あの時代における思想的な背景には、よくも悪くもソビエト共産主義がバックに控えており、揺るぎなき大国主義の亡霊は、当時の若者たちを挑発し、また嘲笑していたようにさえ見えた。ソビエトや東ドイツが崩壊したとしても、その後、中国共産党があり、その影響下にある北朝鮮のような政治体制が残り、キューバやその他の社会主義的体制があり、今後、人類全体の「夢」はどのような方向へと導かれていくのか、気になるところではある。 ここまでを要約してみると、共産主義は失敗したのであり、それは少なくともふたつの理由で失敗する運命にあった。ひとつは、その第一の目的である平等主義を強化するためには、特権を要求する強制的組織をつくることが必要となり、したがってこれは平等主義を無視することになる。ふたつ目は、民族的・領土的忠誠心が階級への忠誠心と対立するときは常に、そしてどこでも、前者は後者を制圧し、共産主義をナショナリズムへと還元していく。これが、社会主義がいとも簡単に「ファシズム」と結びつく理由である。この現実を認めたとき、1990年以降のソヴィエト連邦共産党を引き継いだロシア連邦共産党は、すべての国のプロレタリアートに団結を要求するスローガンを放棄したのである。p215 一種、勝ち誇った勝利者宣言であり、敗者への引導を渡しているような所業であるが、他者を嘲笑している本人の足元を見た場合、こちらもまたお寒い状況であることにはかわりない。ブッシュが去り、オバマが登場したことで、一時の場を持たせてはいるが、こちらの矛盾もまた、根深く、一筋縄ではいかない。他国を評論している場合ではない。 オバマが社会活動家として自らの人生をスタートさせた中央アメリカのシカゴ・サウスサイドの人々の暮らしは、他国の失敗を笑っているような状態にはない。オバマは、その政権の主なるテーマとして、ソフトエネルギー、医療、教育を挙げたが、ロシアの人々が置かれている立場や、中国の内陸部に取り残されている人々、あるいはアジアやアフリカの多くの人々が置かれている状況と、アメリカの多くの人々が置かれている立場はそれほど変わってはいないのだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.02.28 06:04:01
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