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カテゴリ:読書 小説
「チーム・バチスタの栄光」「ナイチンゲールの沈黙」に続く白鳥、田口コンビの3作目。
時系列としては「ナイチンゲールの沈黙」と同時進行であり、スピンオフ作品の「螺鈿迷宮」に繋がっていくものとしてよりはっきりとしていますね。 「ナイチンゲールの沈黙」と同時進行な物語ですので、すでに目にしたシーンが出てきたりもしますが、メインに扱う案件が救命救急センターという事で、同時進行で重なる部分はありながらも、独立している部分は完全に独立しています。 また、主役となる愚痴外来の田口と今回のメインとなるジェネラル速水、放射線科の島津の3人の同級生のつながりが特に強く描かれているのは、学生時代にちょろっと出たスピンオフ作品「ブラックペアン1988」の頃と本質は変わっていないというのが、世界観をまとめているなと、シリーズものとしての楽しませようとしているなと思わずニヤリとしていまいます。 作者は現役の医者であり、小説を通じての現代医療の問題点の啓蒙活動という狙いがあるというのを目にしていますが、今回の中心は救急医療の効率化はどこへ向かうべきかでしょうかね。 効率化という名の緊縮予算と予算をかけないことにはどうにもならない事。 警察、消防、国防、救急医療は本来であれば忙しくないことに越した事はない分野のもの。 しかし、実際問題としてなくなってしまっては困るものであり、稼ぐ事を目的化してはどうしようもなくなるものです。 そういった認識はありながら、現代医療は予算の削減を目標とされ、ドクター・ヘリのように必要性はわかるが予算がかかりすぎるものは見送られる事が常識のようになっている。 現代日本の医療の問題点をからめつつ、エンターテイメントとして安定して面白い形にまとめているシリーズですね。 同時進行の「ナイチンゲールの沈黙」を読んでから3ヶ月間が空いていますが、細かい部分は忘れていても、これは重なるなとかすぐにわかりましたから、それだけインパクト強く残っているんですよね。 まぁ個人的には、「螺鈿迷宮」に繋がる部分が、いろんな災難が待ち受けていると分かるので笑ってしまったり。 ジェネラル・ルージュの凱旋 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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