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カテゴリ:読書 ノンフィクション
副題が「問題だらけの学校から身を守る法」という本ですね。
現在の日本の学校で、いじめを発端とする自殺が目立ちながらも、解決される兆候が全く見えず、いじめによる自殺などないんだとしたいがために、いじめの概念そのものを複雑化して、いじめじゃない!と逃げたり、教育現場で一生懸命隠蔽したりとどうしようもない状況になっています。 そういった、学校教育というものに対して、そもそも学校教育とはどういうことであり、現在の社会制度と学校という存在の変化との乖離による問題を指摘し、いじめて殺されるくらいならば、学校から離脱することによって身を守る事をひとつの手段として肯定的に受け入れるのが当たり前になされるべきではないかと指摘しているものですね。 筆者は2人とも高校中退経験者であり、引きこもり経験者であり、そういう意味では学校という制度そのものの変化の必要性、また現在社会の問題点を多角的にとらえて、すでに社会の価値観の多様性が起きている現在、さらに多様化して、ネガティブに捉えられてきた存在(不登校、フリーター、ニートetc)をレッテルを貼って差別するのではなく、1つの生き方として、上手い事生きていけるように変質させる事の有効性を提言するまでになっています。 個人的には著者の1人である本田透は「電波男」であるとか「萌える男」などで非常に力技な二次元至上主義を見せ、現在の日本の社会システム批判(というか多くは女性批判)を面白く読んでいたので、もっと力技な例を出してくるのかと思っていましたが、力技というものはあるにはありますが、力技を前面に出すものではなく、かなり真面目に書かれているので、多少肩透かしでしょうか。 まぁ「喪男の哲学史」などで力技をからめつつも、まともに哲学を取りあげるようなものも読んでいるので、力技ばかりではないというのは知ってはいたんですけどもね。 で、多少肩透かしと言うのは、ある種の極論を期待していた部分であるので、逆に言うと極論に逃げずに極論となりえるものを提示してそれが全てではないと、1つの意見としてまとめ上げている分、むしろ真正面から取り組んでいると言える訳ですけどもね。 とりあえず、現在いじめにあっているとか、人間関係で疲弊している人は一読する価値はあるのではないでしょうかね。短いので(何気に人に本を薦めるときに短いというのは重要だと考えています) 自殺するなら、引きこもれ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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