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カテゴリ:読書 ノンフィクション
副題が、北条氏照の領国支配と城郭というものになります。
北条氏照、名前は知っていますが具体的に北条家のどの位置にいたかとなると、私にとっては、きちんと覚えていない存在だったりします。 なにせ、北条家は氏シリーズだらけですから(笑) しかし、この本を読みますと、きちんと把握していないといけない存在であったと強く認識せざるを得ないですね。 なにせ、領国としていた地域がなんだか見知った地域だったりするので。 本著は戦国時代の城の役割を、いわゆる一般的なイメージである大名の砦として大名や武将のためだけに存在するというのではなく、戦となると村人ごとがっちりと守るための役割を果たしていたという視点で検証し、北条氏照の居城を中心に考察するというものになります。 言われると、確かに城が兵士だけのものではなく、一般人も守るものであるという事に納得できるものですが、当時の戦のイメージから変えられてしまい、ちょっぴり残念というか、生きるためとはいえ生々しい収奪の上でなりたっていたのが、身も蓋もないというか(苦笑) そういう、戦国時代にちょっとした夢を持っていると残念に思う事から、逆にそれ故に、巨大な、それこそ小田原城のような城ばかりではなく、あちこちに小さな城が存在し安全装置になっていたという面白さを見つける事が出来ますね。 メインとして扱われる滝山城などは、行った事はありませんが存在は知っていましたが、椚田城なんて城があった気配すら今はどこにもないじゃん!みたいなものまであると驚いてしまいますね(まぁ急坂に面していますから、城向きといえば城向きですが) 沢山城なんていうのも、沢山城があったというピンポイントの場所はわかりませんが、かなりの急坂が回りを囲っている事は確かですから、城があってもおかしくはないなとか。 御岳山、陣馬山、高尾山なども宗教的な意味合いも込みで城の役割があったなど、全部頂上まで行った事がある山なんかが出てくると、そんな所に城を作って意味があるのか?という観点から城はなかったとするものもあるというのも、理解しやすかったりしますかね。 どうも私は城=山城のイメージが強いのでここら辺ならば確かに急斜面だよなとか、完全にローカル視点で楽しんだんですけども、こういった読み方が正しいのかどうかは知りません(笑) ピンポイントでローカルなネタを楽しみたい人と、戦国時代を扱ったものとしては面白い観点で扱ったものですので、戦国武将や戦国大名視点だけではないものに触れてみたいと思う人には薦められる1冊ですね。 1 北条氏の領国支配と氏照の「地域国家」支配 2 聖なる城・氏照の拠点滝山城 3 境目の番城・「滝の城」と郷村支配 4 年貢米の保管場所・沢山城と江ノ島 5 甲武国境を守る桧原村の武装集団 6 甲武国境の逃亡者の「たまり場」 小河内村・小菅村 7 境目の城・津久井城と三増峠合戦 8 氏照はなぜ八王子城へ移転したのか 9 城と避難場所、そして、疫病への恐怖 10地域国家建設の夢破れる お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年03月28日 20時41分16秒
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