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テーマ:映画から何かがはじまる(571)
カテゴリ:作品レビュー(外国映画)
この映画では主人公に当たるヴィースラーは、シュタージ(国家保安省)
の期待される局員として登場する。 当時の東ドイツとしては国家権力の中枢を担ういわばエリートである。 ラスト近く、彼は地下作業室で郵便物のチェックを行うという身分に 左遷され、東西ドイツ統一後は、一介の郵便配達夫である。 見方によってはこれは「転落」かも知れないが、映画の中のヴィースラー は堂々としている。むしろ、盗聴に励むときの彼の方が権力に寄りかかって いることから、卑小に感じられる。 この映画は、権力に寄りかかっている人間が、そこから脱却する過程を描い たものである。 このことはヴィースラーのように直接に国家権力に関与する立場にある者 のみならず、我々すべてへのメッセージではなかろうか。 我々の内部にある権力や世間の空気に阿る心理からいかに解放されるか、 そして、その後においても決して不安を感じる必要はないことを示して くれる。 この映画は、時代の空気に流されているような今の日本人にとって必見の 作品かも知れない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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この映画の原題名が「他人たちの生活」という意味であることを知りました。
昔なら「盗聴」という邦題名になるのかもしれませんね。 (2007年05月05日 10時37分38秒)
>見方によってはこれは「転落」かも知れないが、映画の中のヴィースラーは堂々としている。
私にもそう見えました。 自分は納得した上で行動した、という 清々しい表情でしたね。 (2007年05月05日 10時47分18秒)
この映画は観ていませんが、
哲さんのメッセージにすごく合点がいきました!! 現在権力を握っている輩にしても、 実際は「黒幕の影」におびえつつ、 「出来ればこの座を降りたい」と思いながら、 半ば「脅かされながら」やっているのでしょうし、 「洗脳されていて率先してやっている」ならまだしも、 「内心やりたくない、やってはいけないとわかって いつつ、 生活のためあるいは脅かされてやる」ぐらいなら、 「たとえゼロになったとしても、 だれにもおもねることなく自分の納得する生き方を選ぶ」方が、 どれほどいいかということでしょうね。 (2007年05月05日 14時06分50秒)
いつもお世話になっております。
彼が「転落」するきっかけとなったのが音楽や詩などの芸術であったことがとても素敵でした。 芸術には人の心を動かす要素があるんですよね。 私達から見ればあれは決して「転落」ではなく開放に見えました。 (2007年05月06日 15時15分34秒)
コメントをありがとうございます。
lalameansさんのコメントは、この映画から 我々が学ぶべき一面をついていると思います。 lalameansさんがこの作品をご覧になっていない のが実に残念です。もし、機会がありましたら、 どうぞ。 権力に阿るか、反権力に生きるか、それはまさに 個人の幸福感の問題かも知れませんが、大事なこと は個人の自立ということでしょうか。 (2007年05月09日 09時24分22秒)
かって「盗聴」という映画もありましたね。
さて、この「善き人のためのソナタ」は、 最近の洋画の邦題では秀逸なものだと思います。 但し、原題名は内容を見事に表現しています。 (2007年05月09日 09時26分37秒) |
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