恥ずかしながら初めて読んだ。
実家にあったのだが、ずっと手に取らずにいた。
しかし、この小説は、中学生や高校生が読んでも理解できないだろう。
むしろ、子を持つ親の年齢になってから読んだ方がいい。
志賀直哉の実体験をもとにしてはいるものの、小説はあくまでも小説である。
主人公も小説家である。
小説家として、経済的には恵まれているようなのだが、具体的なところはわからない。もっとも、経済的に恵まれているような人でなければ小説家になったりはしない時代ではあったのだろう。
自分で自分を追い込んでしまう主人公。これでは周囲の人たちは大変だ。
物語は、精神的には救われるような形で終わっている。
使われている言葉は古いものの、表現は平易で読みやすい。
さすが志賀直哉。
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