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詩誌AVENUE【アヴェニュー】~大通りを歩こう~

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2015年09月23日
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カテゴリ:紫草詩
                           ※次回からホングウ セラさんのイラスト
                                  とのコラボが始まります。



                          詩:紅魚。さん
                          ツイッター:紅魚。@cleo19810402







なんとなくぽかぁんとしてしまうから木曜日には金魚に還る


指先にケガをした朝。少女らは皆、うずまきを欲しがっている。


両耳をあなたの指に塞がれる、の、想像に水をあげます。


独り言/あたし、よるにはさけないの。さよなら火曜日。もういかなくちゃ。


踏切待ち。たたん、たたたん。廻る廻る。ダリヤの色に追われる夏が。


泣き虫を花の名前に隠してた。金曜日の子どもは水棲。


あさってがどこかにきえた。とこしえということばを転がしていたら。


お星様、お星様。あーあーあーあー。鯨のお墓を受信しました。


色褪せたダリヤがぽとり、ないた空。ひとりぼつちの日曜日です。


ねんねと輪廻の関係性を問うてみる。茣蓙の馨。仏間。夏の午睡に。


夏の花は夏の水しか呑めないの。ごめんなさいねほろほろ金魚。


縁日があたしのほんとうの棲家よ。びいどろの音とあかいつま先


やわらかなほんとうのなつのおわりをおはじきにしてころりはじいて


鳥居の向こうの海まで駆けてゆけ。子どものあたしが流れてゆく。あ。


昼の月。とメロンソォダ。と、おひるね。風のかたちがよく見える日は。


空中のプランクトンを追う遊び。退屈な土曜日の留守番。


だれかいませんか。ごぅんと哭く海の底のことなど想って眠る。


夏の音が水中花にとろけてゆく。午睡の梦はゆらゆらと、しろ。


水曜日。ほくほくと昼餉のにおい。スズメガの羽音って淋しい。


真夜中の冷蔵庫には小鬼がいる。ないしょのはなし、みんな知ってる。


わたし、淋しくて淋しくて、淋しい。きっと動物園のカバより。


わけもわからず蝉はしんでしまった。どこかの夏とどこまでも、の秋。


「ぼく」になりたかった日々よ。スカァトと空の見えない席が怖くて。


午後四時の向日葵に負けないように鉛筆の尻を噛り俯く


白、しろ、しろ。息も絶え絶えの鎖骨のあたしの上の空を見ないで。


まろやかな腹にうたかたを孕んであたし誰かの海になりたい


切実な声をください。ひっそりとひそめたサ行の吐息ぢゃなくて。


流される夏。すなはまに埋めたのはヘリオトロォプの夢。ゆうべ見た。


花の馨にやさしくころされてみたい。星の亡骸たちに埋もれて。


潮溜まり。つまさき水面ハレェション。りぼんを結びなおす「式日」


ひたひたと影踏みをする。月曜日の背中の魚は知ってしまった。


それはほら、赤いひなげしのはなびら。上手な嘘をつける子になる。


真夜中って海よ。のばした両腕がどこまでもどこまでものびてく。


ゆめのくにの菫の花はうなだれて代わりに泣いてくださる。ぽとり。


かみさまのよにほんとうのことだけをたべていきてゆかれたらいいのに。


ねぇ、お母さん。みてよほら、すべりだいの上の小鬼はカンナの精よ。


呼吸の一つ一つを数えたことなんてなかった。ぬるいおふとん。


かざられたお花になんかなってはいや。水なんてあげないぜったいに。


まだです、まだ。ソォダの泡みたいに、次の、次の、その次も/生活。


こわいのは生きているから。こわがるのをやめないでおとうさんお願い。


乳を飲む子の足先を口に含む。宇宙のかたちってこのこと。


いのちたちをかぞえる。みがく。たまご、たまご。4月1日かみさまのよる。


さよならの王国から拐ってきた鳥の名前よ。はいどらんじあ。


しなないいきものは、たべられていのちになることが生殖なのです。


春の風はうそつきのにおいがする。みみなり。また、みみなり。ざ、ざ、ざざ、


たまご。うまれる。ふってくる。たまご。しんでゆく。もういいかい。まぁだだよ。


ひとりぼっちのおさかなはしんこきゅうをすればはれつしてしまうのよ


落ちてゆく飛行機雲のしぶき。きり。きり。きり、あの空の色のうそ。


花はいきてなんかいない。いきてなんかいないいないいないんだったら!!!!


アザレアの花びらを千切っては揉む。指先の馨。泣かない。なかない。












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最終更新日  2015年10月25日 07時17分06秒
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