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詩誌AVENUE【アヴェニュー】~大通りを歩こう~

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2017年11月17日
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AVE写真illus.詩N1618 1601-2 No.10



1985

僕たちはそのころ、新鮮で苦しみおおい日々を続けていた。繋船ホテルの朝みたいに。もちろん、夕方三十分みたいなこともあったし、ちいさな遺書みたいなこともあった。囚人か? そうであったかも知れない。ミッキー・マウスか? もちろん、そうであろう。それが他人の空だったからだというのなら、結婚行進曲であったかも知れない。
僕の水晶狂い。僕のサフラン摘み。でもそういう、ところに、I was bornがあり、終電車の風景があった。でもレトロな僕は、言葉のない世界から、孤独な泳ぎ手を、感情的な唄を。バロウズを読んで、ホッパーを理解したというのか、ベーブルースから、ハンク・アーロンを理解したというのかな。相変わらず、竹も氷島もいい。食わず嫌いだ
った、おっと読まず嫌いだった戦前の詩にも眼を通した頃、ハイネや、ホヰットマン、ボードレールにランボー、エリオットに、リルケ、多くの詩人がそうであるみたいにその世界の動向を探った。シュールレアリスム、ダダイズム、モダニズム。パンクに、ラップ。ジャズに。言葉は色んなものを模倣する。毛沢東。毒虫飼育なんてのもいいよ
ね。冬が来た、とか、風景純銀モザイクとかね。自分は見た、あたりもよかったなあ。永訣の朝も。朔太郎が邪宗門より、思い出の方がいいと言ったけど、僕は逆だったな。シェイクスピアより素晴らしい劇作家はいるような気もするんだが、そいつが、どこまで言語感覚を持っているのかというのは疑問だ。でも、言語感覚が、詩である必要性
はまったくない。消費される、廃棄される文明の中では。死刑宣告、抒情小曲集とか、転身の頤かな。測量船に、体操詩集に、戦争に、パウロウの鶴。静雄も、富永も、立原も、中也もか。蛙だらけの男に、鬼だらけの男。そういえば、どこかで人魚をテーマにした詩があったな、すげえ、つまんなくて金返せって思ったけど。ミショーからカフ
カ考える馬鹿は僕ぐらいな気もするけど、あの根っこにマラルメがいたり。エリュアールとギンズバーグを並行させて見たり。いまではもう誰も知らない気もするけど、そういう時代が僕にもあった。僕等が言うところの「詩とは何か」は「変わらない」ものであり、それは人口に膾炙しながらもクオリティを引き上げるものでも、制度や、体制
を変えるものではなかった。それは文体にも、スタイルにも見て取れる。ソネットも、俳句も短歌も。でも「さまざまなもの」であり「さまざまな人間」であり、「さまざまな価値観」である。詩を書くのが楽な詩人が多いことか。三分で書けるカップラーメン詩。そこには叫びもない。危機感もない。何かを与える要素もない。もたれあい、姿
かたちを変えながらSPOILを続ける。心理的な歪みや、不器用さ、葛藤。さまざまな醜悪を表現を嫌う人もいる。新しいことは苦手だからと老いる人もいる。でも思考は変わり続ける。愛が、憎しみであるように、詩も、時代のさまざまな負債である。だが、だからこそ可能性は拡大する。









原画サイズ/特大サイズ

詩とArt_Works: 塚元寛一さん &KAMOME_STUDIO
画像素材: イラa。写a





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最終更新日  2017年11月17日 16時15分04秒
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