馬鹿1号
Idiot number one
僕はどうすればミチコを産めるのかと考えていた。
ブランコはゆれて、雲なき大空を悠揚として亙り、
ミチコ、それは、僕の一つの快感の究極的な欲求。
雲母沫。さらさら、さ・・。
ゆれていたものは、鰻のように伸びて見えた、動脈。
トケイが、工場のエントツをトカゲにした。
パンチング・グローヴ。
一秒間に百打のミチコ。
誤魔化され――ないよ・・。
脳味噌の中をvirusとして泳ぐミチコ。
生まれて消えてそしてなくなってまた誕生して、
僕はミチコを産みたい。
まもなくはげしい雨脚、この曠野をつつむ、
この“LOVE”は、千年や二千年の振り子じゃない、
ラバーズソウルじゃない、ミチコ。
緑色の完璧な反映系のグリーンが校舎を包んだ、あの瞬間、
というか、ミチオ。
ぬるぬる光る砂の斜面。
僕の空想は遂に、彼女を男性にし、僕を女性にした。
そして、やわらかい泡の渦の神様を見た。
僕は面白かったか、ミチコ。濡れていた――か・・。
映画館の後のラブホテルでビールを飲みすぎた。
ミチコは、汗を掻くムーン・リヴァーを色とりどり!
こんな場末のアルファな縦横無尽、心は、プルトニウム。
ミチコを、産みたい、産み落としたい。
そしてその瞬間、僕のカポエラは終わる。
寒冷な気流が流れて、
孤独な星にえぐられた、僕の白い牙は、
クレオパトラの丘に、こぼたれた、幼児の声をさせ――る。
原画サイズ/特大サイズ
詩とArt_Works:
塚元寛一さん &KAMOME_STUDIO
画像素材: イラa。写a