Grassland
草原の果ての樹林の中に、緑色に見える月面の部分があるみたいに、
目の届かぬほど草原が展開している。集合離散の性質の狭間に、
浮島のように現れる、草のこの角度には、湿度や温度をコントロールする、
そんな知恵があるのだろう。次第次第に夕闇の底に、
もわんとした空気が暖房みたいに漂う。
落ち葉が着物の柄のように鮮やかに広がっている。
―――そこへと、沈んで行くのを感じながら、数回きこえた小さないななき。
遠い祖先である類人猿は、ジャングルで樹上生活をしていた。
当時湿度の高いジャングル内部での生存競争は激しく、
さまざまな生物が絶滅したと言う相関図・・。
遊牧民の前哨地的な雰囲気――。
たいへんな勢いで、たいへんな速さで、草原を駆け抜けた僕にも、
そんな血が流れている。イメージは空間表現、
前景の人物をより際立たせるための、草原の深み。
その土地が本来持っていた自然回復力を上回る速度で現在も、
無理な開墾や放牧が続いている。牛が、
草食動物特有の穏やかな表情をしている。
原画サイズ/特大サイズ
詩とArt_Works:
塚元寛一さん &KAMOME_STUDIO
画像素材: イラa。写a