暗殺者
小函という様々な素材・大きさ・性質のものが、様々な用途に利用されているのは、
どうでもいいのだが、そこから微かにピーピーと金属性の音が鳴っていた。
「してはならないことをしてしまったのではないか」
という考えが電光のように僕の頭を閃いて通る。
厚手のセーターには防虫剤の匂いが残っている
そんな絵の具箱から出したような汚れた、手入れされていない緊張のせいだろうか、
どうしてか一時間足らずで十二、三本残っていた煙草の函が、
空になったことを思い出した。
ついでに、箱を函としている自分の発想にも、驚いた。
太平洋戦争勃発により各種統制が敷かれガソリンなど物資不足が発生したみたいだ。
それは、入口をふさいでいる空き函の山を上の方から崩していくみたいなものだ。
テトリスだ。しかし僕はその語源の由来をまったく知らない。
僕はそこから古い日本の映画のタイトルを思い出そうとする。
有名な作品ではないから冷笑的でそんなにピンとくるものではない。
というより焦ったがために、誤って記憶の箱を引っくり返したのかもしれない。
一時期興味を持って映画を調べていた一時期があり、
いつもそこにどんなストーリーが入っているのか気になったものだが、結論は非情だ。
見れば映像も、内容も、正直そんなに面白くない。お粗末なものだ。
たとえそれが一度きりでも大幅に値段の下がる年代物のおもちゃにも似ていた。
それはたとえば、日本のアーティストの曲と、
外国人のアーティストの曲とに感じる違和感かも知れない。
別に模倣だとか、口はばったいことを言いたいわけじゃない。
ただ、そこにおける衝撃力みたいなものは沈埋工法による海底トンネル。
日本と外国とで、すごく大きな差を感じるのだ。
ともあれ、自分はこのパチンコ屋を出ようと思う。
トイレの便器の傍に置かれていた段ボール。
悪戲だといいが、万が一爆弾だったら、巻きこまれたくない。
いわば濃いほどゼロに近いリーマンゼータ関数。
開閉の音に至るコミュニケーションプロセス。
わからないこそ美しい、レイアウトフリーな檸檬。
原画サイズ/特大サイズ
詩とArt_Works:
塚元寛一さん &KAMOME_STUDIO
画像素材: イラa。写a