ジージの南からの便り

清水小学校横と清水中学校前の坊中馬場との交差点東角に「仁王堂水」がある。





　私は中学生のときこの近くに引っ越してきて、高校に通学するときは通学路でもあったので、よく水を飲んだものだった。当時は湧水の近くにヒシャクも置いてあり、水汲みをする人も多かった。私にとっては懐かしい場所の一つである。
現在は、市水道局仁王堂水源地として利用されている。
「仁王堂水の由来」については、写真の表示板に詳しいが、仁王堂水のある所は藩の祈願所大乗院の門前にあたり、また島津氏の菩提寺福昌寺にも近く、いわゆろ門前町であったと思われる。現在は静かな住宅地となっている。（鹿児島県教育委員会編纂　歴史の道調査報告書「大口筋・加久藤筋・日向筋」に依る）
尚、仁王堂水がこの地にあったことから、ここを清水町と呼ぶようになったと言われている。

　この仁王堂水を右に見ながら清水中学校（清水城跡のちに大乗院跡）に向かって坊中馬場を進み次の道を右折すると、本立寺（ほんりゅうじ）馬場である。



　この通りの一画には次の写真の通り、記念碑が二つ建っている。
一つは「鶴嶺高等女学校　校跡碑」であり、もう一つは「良子（ながこ）女王殿下御台臨記念碑」（元帥伯爵東郷平八郎謹書）とある。



「鶴嶺高等女学校」は戦後新制高校が発足するとき、私の母校Ｇ高校の前身になった一つである。
「良子女王殿下」とは、のちに昭和天皇の皇后となられた香淳皇后のことであり、嫁がれる前の身位は女王であった。つまり独身時代にここに御台臨されたときの記念碑である。尚、良子女王は久邇宮邦彦王の第一女子であり、母は１２代薩摩藩主公爵島津忠義の七女である。

　私はここのすぐ右上の方角に住んでいたのだが、当時は“鹿児島盲学校”がここにあり、そのあと、私の記憶が正しければ“第十管区海上保安本部”になり、先日行ってみたところ共済住宅などが建っていた。

　この二つの記念碑を左上に見ながら国道１０号線の方向に１０ｍくらい進むと島津家初代当主から五代当主までの墓地である本立寺跡がある。





　門前に説明版もある。



　島津家初代から五代までの墓地は一説に島津家発祥の地であると言われる出水の感応寺にもある。
六代から二十八だの墓地は玉龍高校裏にある福昌寺跡にある。

　上町歴史散歩はまだまだ続きます。