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田崎正巳のモンゴル徒然日記

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モンゴル2008

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島田隆の天職相談室 しまりゅう52さん

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いつの間にか「シニア」と呼ばれる年齢になった経営コンサルタントです。

「経営」はもちろんですが、「民族」や「クルマ」、「蕎麦」に「南の島々」といろんなことに興味を持ってきましたが、ひょんなことから2008年秋からモンゴルの大学で教えることになり、ウランバートルにやってきました。新興国であり資源国でもあるこの発展途上の国で、どんな経験ができるのか楽しみです。写真なども交えて、モンゴルというなかなかイメージしにくい国の毎日を少しずつでもお伝えしていこうと思います。

2010年秋に、日本に帰国しました。モンゴルとのつながりは今後も継続したいと思っていますので、引き続きこのブログは続けることにしております。日本における日常生活も含まれますが、今後ともご愛顧のほど、よろしくお願いします。


姉妹ブログ「徒然散文記」もご参照ください。

田崎本人に直接連絡を取りたい方は、STRパートナーズホームページからお問い合わせください。
2019.09.14
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「昔の面白いブログシリーズ」の第22回目です。2009年8月9日付けの「ソ連もロシアも変わらない?」を載せます。

モンゴルは今年ハルハ河戦争80周年ということで、ロシアと一緒に祝っていますが、社会主義時代からモンゴルへの扱いは不当なものでした。ですが、今の若い人たちは知らないようです。

このブログは10年前のですが、ロシアを恐れるモンゴル人政治家は、今も変わらないそうです。


以下、掲載します。


今日8日は土曜日でしたが、ビジネスミーティングがあったので、午後から行ってきました。

そこで旧ソ連や現ロシアの政策などを聞いて、改めて「やっぱロシア人というかロシア政府は根本的にはソ連時代と変わってないな。」と思いました。

もちろんこれらは全てモンゴルサイドからの見方ですから、真実かどうかの検証は全然やってません。そういう前提で書きます。

まず私が驚いたのは、モンゴル国内を走る鉄道が単線である理由でした。以前、サエンシャンドという街に「世界のエネルギーの中心」を見に行った時に乗ったあの列車です。確かにあの列車は、単線で待ち時間が多く、やたら時間がかかるものでした。

これが単なるモンゴルのローカル列車ならわかるのですが、これは北京とモスクワを結ぶまさに幹線なのです。私はてっきり、お金がなかったから単線なんだと思っていました。

ですが、話を聞くと「もちろん、中国側に入れば複線でしょうし、シベリア鉄道だってもちろん複線です。つまりモンゴル国内だけが単線なんです。」というではないですか。

理由を聞くと、こうでした。社会主義時代からソ連はアメリカを仮想的としていたように思われていますが、実は現実的な目前の敵は中国だったのだそうです。同じ社会主義陣営でも、ソ連と中国はものすごく仲が悪かったそうです。

いつ中国と戦争になってもおかしくないような時代が続いたのです。その時代のモンゴルは中国側ではなく、ソ連側の国でした。ソ連はモンゴルを緩衝地帯と考えていました。

もっと具体的に言えば、中国と戦争する時の戦場はモンゴルに限定すべきで、ソ連内は戦場にはしたくないと考えていたのです。

こういう考えから、北京とモスクワ間の列車も便利にはしたくない。遅くなるようにしたい。兵員を容易に中国からロシアに運ばせたくないと考えていたわけです。

ある意味、ボトルネックにしたいと考えていたのです。なので、モンゴル国内だけは、複線化を認めなかったのです。

私が「なるほどねー、ソ連はすごいね。でも、民主化から17年も経ってるんだから、今は自由にできるんじゃないの?」と聞くと、なんと2005年にモンゴル側が複線にしたいとロシアに報告したら、「駄目」と言われたそうです。

私は「もう社会主義じゃないんだから、こっちの自由でしょ?」と聞くと、「理由なんかないです。ロシアが駄目と言えば駄目です。ウクライナを見ればわかるでしょ?エネルギーを止められたら、モンゴルはそれで終わりなんです。」と。

今、彼らと一緒に考えている鉱山開発も同じ背景があるのです。なぜ、モンゴルは最近になって「鉱山資源が豊富だ」と騒がれるのか?別の見方をすると「なぜ、モンゴル政府は自国の鉱山の埋蔵量などの把握が十分にできてないのか?」ともとれます。要するに、「今まで何やってたのか?」ということです。

実はソ連は社会主義時代からモンゴルに鉱山資源が豊富なのを知っていました。ですが、ソ連に近い一部の鉱山以外は開発させなかったのだそうです。なぜか?それは中国の存在です。

ソ連は中国との戦争になれば、ソ連は自国の国土は守りますが、モンゴルは多分中国に取られてしまう可能性があると考えていました。

その時に、せっかくソ連主導でお金をかけて開発した鉱山をみすみす中国に取られるのを嫌って、モンゴルでの開発をさせなかったのです。しなかったのではなく、させなかったのです。

社会主義時代に、モンゴルの有能な政治家が「エネルギーを自主開発して、電力生産を増やそう!」と計画したり、「鉄鋼を生産して、近代化しよう」といろいろ考えたそうですが、それらの政策は全てモスクワから拒否されたそうです。

「そんな細かいことなんか気にしなくてもいいですよ。ソ連とモンゴルは兄弟なんですから、なんでも安い価格で供給してあげますから、安心してください。」と言われたそうです。まさに、ソ連の意図的な策略が感じられます。

実は、モンゴルの石油埋蔵量はかなり膨大であると言われています。一説では、クウェート並み?という声もあります。

実際、社会主義時代にソ連主導でモンゴル東部で石油の生産をしていましたが、そこが中国国境に近いという理由で、閉鎖され、簡単には再生産できないようにしてしまったそうです。中国に乗っ取られると本気で考えた証左です。

つまりモンゴルの今の「途上国状態」「産業振興が遅れている」のはもちろん、モンゴルという国の国力もありますが、その前に社会主義時代に「何もさせてもらえなかった」という歴史があるのです。

なので、天然資源の埋蔵量も、何がどこにあるのかも明確ではないというわけです。逆に言えば、21世紀の現代では、超有望な鉱山資源が手付かずに残っているとも言えます。

ですから、ウクライナのように、本来は自立できるだけの資源も持っていながら、未だに旧ソ連の仕組みの中で苦しんでいる国があるのです。

モンゴルも今でも電力の半分、石油のほとんどをロシアに頼っています。ロシアの気分を害したら、この国ではマイナス30℃の冬を越せなくなってしまうのです。

その考え方は、社会主義だろうが民主主義だろうが、ロシアという国の中では全然変わっていないそうです。

鉄道の複線化の話は、最近ようやく「中国との貿易が重要になってきている」との認識から、「やってもいいかな?」に変わりつつあるそうです。

私が鉄道会社の株式比率云々を言うと、「そんなの、100%モンゴル資本でも関係ないです。ロシアが駄目と言えば、駄目なんです。日本もアメリカも助けられないのです。」と言われました。


かの国にとっては今も昔も守るべきは「ロシア」という国であって、ソ連邦だろうとそうでなかろうと、周辺国は全て仮想敵国とのバッファーとしか考えてないのです。

対中国ではモンゴルですし、対ドイツではポーランドやウクライナ、対インドではカザフスタンなどです。最悪これらの国が戦場になることで、彼らの大切な「ロシア」が永遠に守られるというわけです。

いやはや、このロシアという巨大膨張大好き国家の野望は、民主化したという「甘い言葉」なんて吹き飛ばしてしまうほど、全然変わってないんだなと改めて認識しました。

今も、モンゴルでは大統領以下、ロシアを無視できる政治家はいないそうです。

北方領土は、やっぱ難しそうですね。あそこが軍事基地化されたらと思うと、ぞっとします。






Last updated  2019.09.16 17:10:29
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