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カテゴリ:モンゴルの生活(イベント、季節)
今日はモンゴル相撲を見に行きました。
モンゴルに来てから、モンゴル相撲を見たいと思っていましたが、いつやるかもわかりませんですし、どういう切符を売るシステムなのかもわかりませんでした。 モンゴルでは、他のコンサートなどもそうですが、全く情報がありません。あるのかもしれませんが、少なくとも英語の情報は目にしません。切符売り場も英語は通じないので、多分外国人に来てほしいという考えそのものもないのでしょう。 身勝手なもので、日本にいる時は「英語表示があるかどうか」なんて考えもしませんでしたが、自分がそういう立場になると、いかに英語表示がないと不便かよくわかります。 なので、今年に入ってから、モンゴル人の知り合いには「モンゴル相撲行ってみたい。日程がわかったら教えてください。」と声をかけていました。 先日、知人から「お正月前なら、相撲会館でやってるはずです。」と教えてもらい、早速今日一緒に行ってもらいました。 今日21日土曜日から正月前日(大みそか?)24日までの4日間相撲が開催されます。今日は初日なので、有名な横綱などは出てこないそうですが、とにかく行ってみました。 室内は、モンゴルのゲルをイメージしているように思いました。建物は全体に円形で、天井からは日差しが差し込んでました。 なんとなく、ゲルの天井に似ています。 室内には、歴代横綱の写真が飾ってありました。 皆、手を大きく広げ、鷹(?)の舞いをしています。 取組前から、審判団らが準備していました。 観客は、男性客が圧倒的で、初日だからか50%くらいしか埋まっていませんでした。 審判は、皆、ネクタイのようなものを頭から後ろにぶら下げてました。 審判は皆、モンゴル相撲のOBのようです。このネクタイみたいなのは、形やデザインには意味があって、ネクタイの下部の白い線(左の人は2本線で右は1本線)の数が多い方が、実績があるそうです。 いよいよ始まります。まずは、テレビで見たことがある鷹(他の鳥かも?)の舞いから。 一度に何人もが踊りました。 ところが、いざ取り組みとなって驚いたのが、秩序が全然ないのです。勝手にそこら中で取り組みが始まりました。しかも、誰かが合図するわけでもなく。 この通り、一度に何組も始めます。しかも、審判が必ずしも一組に一人ついてるわけではありません。いい加減というか、なんというか・・・ モンゴル相撲で一番違和感を覚えたのはこの「適当に始める」です。しかも何組もが同時にやってます。ですから、試合している人もいれば、立って待っている人もいます。 一体誰がどこでやってるのかさっぱりわかりません。しかも、審判が全然見てない組もあります。ほとんどが、自己判断で勝敗を決めているようです。 たくさんの組が同時に始めるので、しょっちゅう隣とぶつかります。最初は、各組がそれぞれ練習を始めたのかと思いましたが、これが本番なのです。 レスリングでもボクシングでもフェンシングでも空手でも卓球でもテニスでも柔道でも日本の大相撲でも将棋でも・・・およそ一対一でやる競技で、スタートの合図もなく、審判も各組に専門についておらず、同じコート(土俵とは言えない。ただ、シートが敷かれてるだけ)上で隣とぶつかる距離でやるようなものはあるのでしょうか?私はこのモンゴル相撲以外には思いつきません。 実際に、取り組みの最中もよく隣とぶつかってました。なんだか、子供のサッカーの如く、全員がごちゃごちゃ動いてるという感じでした。 取り組みは皆真剣でした。 日本の相撲との一番の違いは、土俵がないこと、つまり枠内で勝負するということがないことです。どこまででも、逃げてもいいのです。なので、投げ技中心です。 手のひらはついてもいいですが、ひじ、ひざ、腰、背中などが床に着いたら負けです。 なので、なかなか勝負がつかないことが多いです。 この組も、5分以上は優にかかっていました。端まで来てしまったら、中央へ戻って取り直しです。 豪快な、投げ落としのような技を結構見ました。 この日は、256人が参加したそうです。そして、1回戦で128人になり、2回戦で64人になります。3回戦で34人・・・と減らしていきます。上位に残った人は、最終日の24日に横綱らが出るトーナメントに参加できるそうです。 間近に見れて楽しかったです。自由席のみで、一番前に座れました。ですが、あまりと雑然とした試合運びや、同時に何人もが適当に取り組みをはじめ、審判が専属で見ているわけではないのを見て、なんとなく一つ一つの取り組みに大切が感じられませんでした。 そして、改めて日本の大相撲は相当洗練されてるなと思いました。観客、審判も一つの取り組みに集中し、難しい判定には物言いが付き、何人もの人たちで話し合う、というのはそれだけ一番一番を大切にしている証左だと思います。 こちらの相撲は、あれ?今どっちが勝ったの?と思っても、審判が見てないこともあるし、適当に「もう1回やれ」のようなのもありました。 いい勝負してる時に、隣の取り組みがぶつかってきて、動きが止まるのもありました。なんとなく、一番一番が大して大切にされてないのかもと思ってしまうほどです。 もう一つは「ぶつかり合い」がないことです。日本の相撲は「立ち合い」に客も力士も集中し、そこでガツンとぶつかり合うわけですが、こちらには土俵がないせいか、立ち合いという概念がないです。 土俵という「制限」を設けることで、それへの対応がまた多くの技術を生むのだと思いました。これはとても日本的だと思いました。制限の中で技術を磨くというのは、日本のお家芸ですから。 確かに、このまま日本に連れて行ったのでは日本の大相撲では全く通用しないとは思います。とはいえ皆足腰は強そうです。きっとこの中からも、日本へ連れて行って数年もすれば横綱クラスになれそうなのが、何人もいるんだろうなと思いました。 迫力ある取り組みを間近で見られたのは良かったです。ですが本当の凄さは、多分横綱クラスが出る日にわかるのだと思います。今回は、初めてということで、まだ私が本質を理解してない部分が多いのかも知れません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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