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カテゴリ:ビジネスinモンゴル
今日は、モンゴル人の友人のBさんの紹介で、ある会社の社長さんと会いました。
なんでも、役員になるような人を探しているのだそうです。で、Bさんが私の話をしたらなぜか「是非会いたい」ということになったそうです。 そもそも私が普通の会社の常勤役員になれるはずもないので、「それは無理なんじゃない?」と話しましたが、とりあえずは会ってみようということになりました。 ちなみにその会社の業界は建設関係で、さすがにかなりの業種の経験を直接、間接に手掛けてきた私でも、全く経験ありません。 で、ランチタイムに最近市内中心部にできた和食屋さんでBさんと一緒に会いました。最初の印象は「なんだか優しそうな感じの方だな」と感じました。 少し話しただけで、随分オープンマインドな人だということがわかりました。モンゴルの経営者としてはとても珍しいタイプかも知れません。多くは人の話をあまり聞かない、田舎の大将タイプが多いです。 私は彼の会社の経緯や問題意識などを聞きました。基本的には英語で直接話しましたが、大事なところはBさんが通訳してくれました。 彼は今の会社を数年前に買ったのだそうです。それまではモンゴルで最大クラスの企業グループのマネジメントチームにいたそうです。業種的には全く建設とは関係ない分野を経営していました。 今の会社を買収後、ほんの数年で売り上げを10倍近くに引き上げたそうです。当初の規模が小さかったといえばそれまでですが、それでも門外漢の社長が10倍以上にするのはすごいです。そして、今後は海外の会社とも付き合って行く機会も増えそうなのだそうです。 つまり、急成長してきたが今後を考えると、海外企業とも交渉できこの会社全体を経営できる人(社長クラス)を探しているのだそうです。私は「ふむふむ」と聞いていましたが、「フルタイムでできますか?」と聞かれました。 さすがにそれは無理です。大学もあるし、小学校もあるし、アドバイザーをしている会社もあるし、フルタイムは無理です。それに社長業はいくつもやったので、それだけで即興味があるというわけではありません。 とはいえ、そこはコンサルタント。経営者が何かで困っている時は、やはりなんとか助けてあげたいという血が騒ぎます。 今度はコンサルタントモードで、改めて会社の状況を伺いました。すると、急成長会社にありがちな2つの課題が見えてきました。 一つは、組織体制です。多分、元々は小さかったから、大して組織を考えなくてもなんとかなってきたのでしょう。 ですが、ここへきていろんな不具合が感じられたということです。社長にとっては、今のままならなんとかやれるが、この先もっと大きくなったらこのままでは持たないと思っているのでしょう。 その先見の明は正しいですが、それを外国人である私から一生懸命に聞く姿は、本当にモンゴル人には珍しいくらい、オープンマインドで謙虚です。 私は感じたままに率直に聞きました。「社長さんはどうしてそんなにオープンマインドをお持ちなんですか?どういうキャリアを歩まれて来たのですか?」と。 彼の答えはなるほどと思わせるものでした。彼は最初はIT系のエンジニアとして、モンゴルでも大きなシステム構築に関わっていたそうです。 そして次が、この仕事の前までやっていたモンゴル最大の企業グループの経営幹部で、なんとファイナンス担当だったそうです。エンジニアとファイナンス。なるほど、経験の幅が広いわけです。 もう一つの課題は、経営人材です。今の幹部は、自分に与えられた分野の仕事は一生懸命にやるが、会社全体が見えていない。経営そのものをよくわかっていない、というのです。更には他部門のことに関心がないとも。 組織と人材の話は、はっきり言って、この会社固有の問題ではなく、日本企業のほとんどの会社の問題でもあります。特に急成長企業であれば、ほぼすべてに共通しているとさえ言えるでしょう。 私は、そういう課題に対していくつかの解決の方向性を話しました。もちろん、その会社のことは全然わかりませんし、ましてや建設業界など知るはずもありませんが、仮説も含めて話しました。社長さんはとても興味を持ってくれたようです。 ただ、コンサルティングをするとなると単なるアドバイザーとは違って大がかりです。聞けば、英語を話せる幹部は社長以外にはいないそうです。資料も全部モンゴル語です。インタビューすら大変そうです。多分、これはBさんと一緒じゃないと無理だなと思いました。 今後どうするか、ちょっと考えないといけません。Bさんも最近はちょっと忙しいようですし、私も時間に限りがあります。 また、急成長中と言っても費用の問題もあるでしょう。モンゴルでの適正価格がいくらなのかまったくわかりませんが、そもそも私のような人がいないわけですから、自分で考えないといけません。 日本から見たら驚くほど低いフィーでも、こちらではびっくりするほど高いでしょうから。私は小学校の先生の報酬は全く気にしませんが、本業となると別です。Bさんも「この国の基準を作っていかないといけない」と言います。 で、今後どうなるかはまだ全くわかりません。今までも、興味を持ってくれた社長さんは何人かいましたが、そもそも外部に戦略や組織作りを依頼するという概念がないので、なかなか進みません。 「POSデータの分析の仕方」とか「業務改善に役立つシステムとは」みたいなノウハウ系は多少はあるようです。 せっかくのいい社長との出会いですの、仕事になるならないは別にして、今後もいい関係は保っていこうと思っています。 ちなみに、今後の建設業の成長分野はやはり鉱山のインフラ整備です。やはり成長の源泉は、鉱山なのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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