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田崎正巳のモンゴル徒然日記

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2014.05.05
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カテゴリ:ユーラシアの歴史
ウイグルは歴史的に見ても、ほとんど漢人・中国とは関係のない国でした。

民族的にはトルコ系(ということは、モンゴルとはほぼ同根)民族でこの地で独立した国でしたが、チンギスハーン以降はモンゴルの属国になったり、チャガタイハン国になったりしていましたが、漢人の国になったことは全くなかったのです。

満州人(漢人ではなく女真族という歴史的にモンゴルに近い民族)の清国が侵攻したこともありましたが、漢人がこの地を侵攻したのはなんと1911年だそうです。

つまり長い歴史のほとんどは漢人・中国とは関係ない国だったということです。

中国の占領後は、内モンゴル、チベットと全く同じパターンです。ちょっとでも逆らうものは、拷問の上殺害します。

豊富な資源は全て漢人経営者が中国へ持っていきます。子供に対する自民族の歴史教育は禁止され、宗教弾圧も受けます。

あまりにも同じパターンなので、民族弾圧についてはマニュアルがあるかのようです。この「マニュアル」は文化大革命の時に内モンゴル人を強烈に弾圧して「おとなしくさせた」成功経験が基になっていると思います。

この地には1000万人近いウイグル人がいるので、より少ないチベットや内モンゴルよりも漢人支配は手こずっているようです。が、こんなに巨大強国になってしまった中国軍を打ち破ることはできそうにありません。

1990年以降でも何度も独立運動がありましたが、その度に大量の殺戮を行い鎮静させてきました。

宗教、習慣、価値観すべてが漢人と異なるウイグル人が独立を諦めることはないでしょうが、かといって中国軍が「参りました」と言うわけもありません。

例えはおかしいかも知れませんが、イスラエルと同じようにこれから数百年、数千年の抗争が続くのでしょうか?

中国側の切り札は、武力ではなく民族同化のようです。既に若いウイグル人女性は「就職」を名目に中国国内へ強制移住させられているそうです。

100年前はこの地に20万人もいなかった漢人が今では1千万人です。将来はなんと漢人2億人移住構想もあるそうです。

日本をはじめ、アメリカやドイツ(世界ウイグル会議の本部がある)のなどの応援も期待したいところですが、日本が何か言って意味あるのか?尖閣ですら危ないというのに、あんな遠い地を守れるのか?

そもそも日本も欧米も地位のある政治家は「内政干渉」の名のもとに口出しすらできません。クリミア半島もあと10年もすれば、ロシアから「内政干渉するな!」と言われちゃうんでしょうか?

中国人から聞いた言葉が忘れられません。ちなみにこの人は、日本留学をし日本をこよなく愛し、世界情勢がわかっている人です。

その人が「中国で教育を受けた中国人は全く違う考え方を持っている」と言っていたのです。ですから、以下のことはこの方の意見ではありません。そういう教育があったということです。

「人間も自然界に属している。自然界は弱肉強食であり、これは自然の摂理である。弱い民族が淘汰されていくのは仕方のないことではないか?」

「優秀でない民族やその言葉を保護して残すことにどんな意味があるのでしょうか?」

「西洋人は多数決という民主主義の概念を持っています。中国人もこの概念には賛成します。多数が強いのです。」

中国の周囲国にはこんな国が隣国にあるということは、全くもって災難としか言いようがありませんね。日本も隣国であることは同じです。

(完)





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Last updated  2017.06.18 14:02:11
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