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田崎正巳のモンゴル徒然日記

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2014.11.27
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カテゴリ:モンゴル国内旅行
モンゴルから日本へ帰国した後の本ブログはモンゴルの情勢の分析などが中心で、モンゴルそのものを伝える機会が少なかったように思います。ですので、本ブログの開始前に書いた内容を時々アップしようと思います。ちょっと古い内容ですが、まだモンゴルのことをあまり知らなかった頃です。お楽しみいただければと思います。

今回は2007年10月付け「モンゴル徒然日記(遊牧民の管理能力)」という題名の記事です。



またまたモンゴルにやってきました。

今までの私のモンゴル旅行はウランバートルとその周辺でしたので、今回はゴビ砂漠を訪れようと出かけました。ゴビ砂漠は、ウランバートルから南に600-700kmにあり、東西2500km、南北1500kmに渡る広大な砂漠です。

これは地球上では、サハラ砂漠の次に大きい砂漠のだそうです。当然、今回はその中のほんの一部地域だけの訪問ですが、とても楽しみです。

ですが、ウランバートルとゴビ砂漠にあるダランザドガド空港との間には飛行機の運航が週に2-3回で、しかも東京とウランバートルとの間も週3便なのでダイレクトには行けず、少しウランバートルで滞在しました。

今までの見慣れた光景も含め、ウランバートル周辺も少しご紹介します。

首都のウランバートル市内にはさすがに羊がうろうろする光景はないですが、ちょっと車で20-30分郊外へ行けば多くの放牧された家畜に会えます。

モンゴルの遊牧民が飼うのは、羊、山羊、馬、牛、駱駝の五種類で、合わせてこれらを五畜といいます。

img_0[1] (4).jpg



  • 一番多いのはもちろん羊です。

    毛を刈ったり、乳を採り、肉を食べるという遊牧民にとってはまさに生活の基盤となる財産でもあります。普通、食用の家畜といいますと牛に加え、豚や鶏が定番のような気がしますが、モンゴルの遊牧民はほとんど飼わないそうです。なぜか?それは、豚と鶏は管理不能だからだそうです。

    遊牧民は、囲いを作ったりする牧畜とは違い、完全に自然の中に放し飼いで放牧しています。非常に多くの家畜(少なくとも普通の家では、300頭以上、多いところは千頭を超えるのだそうです)を家族や犬で管理しているわけです。

    これら五畜は、集団行動を好み、勝手にいきなり走って消えることはありません。牛でも馬でもその集団の「ボス」を押さえておけば大丈夫なんだそうです。

    ですが、豚と鶏は集団行動はしないし、走り出したらどこへ行くかわからないので、家畜の対象にしないのだそうです。



    img_1[2].jpg


  • 水辺でのんびりしている馬は、どこかへ逃げる雰囲気は全くないです。

    なるほど、動物の特徴はいろんな捉え方があるんだなと感心しました。ですから、伝統的なモンゴル料理は、基本的にはほとんどが羊で一部牛、馬もありますが、豚はありません。

    もちろん、最近の市内のレストランでは何でもありますが、豚肉や鶏肉は中国からの輸入が多いそうです。ただ、最近は市内に囲いを作って、豚や鶏を飼育している人も出てきているそうです。つまり、豚や鶏は定住者用の家畜ということなのでしょう。


    img_2[2].jpg


  • 大草原に群れを成す駱駝も家畜です。人間の姿はどこにも見えません。

    モンゴル人からこれら五畜について話を聞いてると、なるほどなーと思うことがたくさんあります。

    モンゴルの遊牧民にとって、唯一にして最大の財産はこの家畜です。ですから、泥棒も住居であるゲルに侵入して何かモノを盗むということはほとんどないのだそうです。

    私が「ゲルをこんなに開けっ放しにして、誰かに盗まれることはないの?」と聞いたら「何を盗むんだい?お金は基本的には持ってないし、そもそも盗んだとしても、こんなに広い草原をどうやって逃げるんだ?」と言われました。

    (続く)





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    Last updated  2014.12.01 10:34:55
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