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田崎正巳のモンゴル徒然日記

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2015.09.10
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先日、突然中国政府から「パンチェン・ラマ11世は生きている」との発表がありました。

なんでこの時期に突然そんな発表をするんだろうと不思議に思いました。記事の内容は、こんな感じです。

「中国・チベット自治区の政府高官は6日の記者会見で、ダライ・ラマ14世がチベット仏教で2番目の高僧であるパンチェン・ラマ11世と認定した指導者が約20年間、行方不明になっている問題について

「普通に暮らしている。彼は干渉を望んでいない」

と述べ、生存を強調した。高僧の生まれ変わりを探して後継者とする「転生制度」は、中国政府が認定を主導するとも主張した。」



このブログでもチベットについて時々お伝えしていますが、パンチェン・ラマというのはチベット仏教としては第二位の序列の高僧です。つまり、現在インドに亡命しているダライ・ラマ14世に次ぐ宗教的地位にあるということです。

そもそもこの記事にある背景は何なのか、行方不明というのはどういうことなのか?について、振り返りましょう。

最近のモンゴル人の中には、以前ほどチベット仏教に関心を示さない若い人たちも多くいると聞きます。チベットとモンゴルは歴史的に非常に近い結びつきを持っている国同士なのですけど・・・

パンチェン・ラマが中国にとって重要なのは、ダライ・ラマ14世がインドに亡命している現在、このパンチェン・ラマが現在中国に占領されているチベットにおける宗教上の実質的なトップだからです。

ダライ・ラマやパンチェン・ラマらの高僧は、亡くなると同時に転生されると考えられており、チベットの僧らが生まれ変わりを探すという方法で長い間そのやり方を受け継いできました。

それでパンチェン・ラマ10世が亡くなった1989年から転生者を探し、1995年にニマという6歳の少年を転生者として認定されました。当然、その認定はダライ・ラマ14世が行いました。

ところが、中国はそれを認めず、転生者探しを行ったチベットにいた高僧を逮捕した上、そのニマ君とその家族を拉致したのです。(中国政府は、行方不明になったと発表していますけど)

そして、中国政府がコントロールできそうな6歳のチベット人少年のノルブ君を勝手に転生者ということに仕立て上げ、パンチェン・ラマ11世ということにしてしまったのです。

で、そのニマ君はどうなったのか?あれから20年もたつのに、その存在は全く確認されていません。隔離されている、とか、既に殺されているとか言われています。

あの頃の勢い(邪魔な奴は誰でも殺せ、という中国的発想)を考えたら、家族全員殺されていてもおかしくはないでしょう。

そのニマ君について、なぜか今月に入って突然中国政府から「無事ですよ」との発表があったというわけです。チベット人は別にして、多くの外国人らからは忘れられた話であろうに、なんでこの時期に突然発表したのかわかりません。

ネット上で調べても、最近パンチェン・ラマ11世のことが話題になっているということもありません。


私の根拠のない推測では、ダライ・ラマの今後に関連しているんじゃないかと思います。どういうことか?


実は、パンチェン・ラマはダライ・ラマの後継者に関して重大な役割を担っているのです。

それは、この高僧二人は、お互いが「認定者」の役割を持っているということです。パンチェン・ラマ11世にニマ君を認定したのはインドに亡命しているダライ・ラマ14世です。

それと同じことが起こりうるのです。つまり、もしダライ・ラマ14世が逝去した場合は、ダライ・ラマ15世となるべき転生者を認定するのはパンチェン・ラマ11世なのです。

経緯からわかるように、現在のパンチェン・ラマ11世はダライ・ラマ14世には認定されておらず、チベット仏教的には正式な11世ではないのですが、中国政府はそんなことは知ったことではありません。

とはいえ、現在のパンチェン・ラマ11世が誕生したいきさつが「かなり怪しい」ことも承知しています。

なので、新しいダライ・ラマ15世を「共産党の言いなりになるロボット」にできる大チャンスが遠くない将来やってくると見ています。

パンチェン・ラマ11世はちょっと味噌がついてしまったけど、あの世界的に有名なダライ・ラマの後継者を共産党の手で作ることができれば、もろもろのことが一気に解決できるんじゃないないかと期待できるわけです。

「今度のダライ・ラマ15世はチベット仏教の伝統にのっとり、パンチェン・ラマ11世が転生者と認定した少年に決まりました!」と世界に発信したいわけです。

ダライ・ラマの名前は絶大な知名度を誇りますから、そのダライ・ラマ15世が将来「私たちのいるチベットは、昔も今も中国の一部であり、大変良好な関係を続けている」と言えば、こういう裏事情を知らない多くの外国人は信じてしまうでしょうね。


その継承時に、マスコミなどが調べ上げて「今のパンチェン・ラマ11世は偽物で、本当はニマ君がいたのに拉致されて殺されたんだ」と騒がれては、さすがに面倒です。

ですので、本当に生きてるかどうかもわかりませんが、とにかく「ニマ君は元気です」との情報を流しておいて、最終的には「実はニマ君自身がパンチェン・ラマになることを拒否し、普通の暮らしを選んだんだ」というストーリーを作りたいんじゃないかと思います。

今回の発表は、そのシナリオの第一弾だということです。

「ニマ君は元気だけど、干渉されたり、マスコミの前に出るのを嫌がっています。」とあたかも、実在の人物のように扱い、更に「本人の希望でなりたくなかったんだ」という印象を与えようとしているのでしょう。

そして来るべきXデーには、共産党のロボット君を見つけ出し、パンチェン・ラマ11世に「正式に」認定させるというシナリオなのです。

ダライ・ラマ14世もその辺の共産党の邪心はわかっているので、「この転生者制度を私の代で止めにしよう」とまで言ってます。チベット仏教の長い伝統を断ち切ってまでして、共産党の野望を阻止したいのでしょう。

中国政府が何か動き出す時は、必ずその裏には「謀略」があると考えた方が正しいです。

モンゴルも気を付けないと。「習近平に道路作ってもらえるから嬉しい!」なんて、いつまでも子供みたいなこと言ってては、簡単に乗っ取られるでしょうね。





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Last updated  2015.09.12 09:04:18
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