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カテゴリ:Yahooブログからの引越
本ブログとは別の「徒然散文記」(著者同一)というのがYahooブログにありますが、そのYahooブログが間もなく閉鎖さるとのことで、一部転載します。
以下、2008/6/12付け「ベトナム徒然日記(5)(男の職場?プラント建設現場)」(2)を掲載します。 建設中の現場です。食堂や掃除関係者以外は「男」の仕事場でした。 同じく現場をマネージしているHさんにも聞きました。「残念ながら、実質1日5時間くらいしか働かない。もちろん、8時間で契約しているけど。せめてあと1時間でも働いてくれたら、300人月は増えるのに・・・」と言ってました。 巨大なプロジェクトに比べれば、労務費の占める割合は少ないので、もっと人が欲しいとも言ってました。「でも、ベトナム人も最近は都会好きだから、こういう田舎の現場は人気ないんだ」とも言ってました。 私はなぜかこの「クレーン」に惹かれてしまいました。 とても普通のクレーンでは届かない高さが、段を重ねるような仕組みで高くなっているように見えました。私には「大きなカマキリ」のようにも見えました。 建築現場はもちろん暑いです。日本の真夏の暑さがずっと続いている感じです。休憩時間は、トラックの下や建設機械の下に潜り込んで休んでいる人もいました。 この製油所で作られたガソリンなどの製品は、大きなタンクに貯蔵され、港からタンカーで出荷されます。それらをつなぐのがパイプラインで、全長は7キロ位もあるそうです。 長く続くパイプですが、途中何か所も90度に曲がって、また戻ってくるような部分がありました。 「なんのためですか?」と聞くと、鉄道や道路の遊びの部分(継ぎ目が少し空いている)と同じだそうです。 つまり、この灼熱の下、パイプラインが膨張して曲がり、最悪折れてしまうのを防ぐのだそうです。つまり、膨張を吸収するために、数キロおきに曲がりがあるのだそうです。 パイプラインを見て気になったのが、テロ対策です。カメラ、柵などいろいろ考えられますが、正直テロには弱いと言ってました。 世の中にはもっと長いパイプラインなんていくらでもありますから、今後はそういう事件も出てくるのだろうかと思いました。 製品を貯蔵するタンクも作っています。 パイプラインの行き着く先は港です。 このプロジェクトでは、桟橋も作っていました。原油の輸入から、製品の積み出しまでやはり臨海地域でないと大きなプラントは難しいのでしょう。 案内を終えて、またTさんの部屋に戻りました。居室、食堂、トイレ、事務室など当然ですがエアコンは効いており、スタッフ全員がほぼPCを使っていました。 最後にTさんに聞きました。「この事務棟は、完成後は運営母体の人が使うのですか?」 答えは「いいえ、全部取り壊します。このエアコン、机、ホワイトボードも全部誰かが引き取って、消えてなくなります。」 「だったら、数年後に来ても、ああここで仕事したんだな、というのは消えているのですか?」 「プラント建設はそういうものです。工事に携わった我々の痕跡は跡形もなくなります。」 なるほどー。この机もPCも全部「テンポラリー」なんだ。うまい言葉が浮かびませんが、「一期一会」「諸行無常」なる言葉が浮かびました。 まさに「今」を生きるプラント建設の現場。友人のHの話によると、最大手の彼の会社でもTさんクラスのプロジェクトリーダー(数千億円の困難なプロジェクトを期限通りにやり遂げられる。安心して任せられる)は10人くらいしかいないそうです。 ということは、日本では他社入れても20人もいるかどうかの職人の仕事なんだ!すごいです。 日本から遠く離れた仕事場で「サムライ」が頑張っているのを見て、私も・・・って気にもなりました。(少しだけ。笑。) (完) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019.12.19 12:18:35
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