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カテゴリ:Yahooブログからの引越
本ブログとは別の「徒然散文記」(著者同一)というのがYahooブログにありますが、そのYahooブログが間もなく閉鎖さるとのことで、一部転載します。
以下、2008/1/17付け「株価下落が止まらない!?」を掲載します。 株価の下げが止まりません。昨年末の12月29日付けで「日本の地盤沈下?」で、日本の国際的地位がかなり下がってしまっているということを書きましたが、まだ実質営業日10日くらいしか経っていないのに、その頃の日経平均株価よりも10%以上、2000円近くも下落してしまっています。 諦めの境地になっている読者の方々もおられることでしょう。いくらなんでも、急速すぎますからね。 でもちょっと、単なる「上げ下げ」ではないような情勢になってきた気がします。以前の似たような状況のときと比べても、どうも根本的に違うような気がします。 バブル崩壊以降、もちろん株価の上下動は何度もありましたし、今よりも低い水準のときもありました。ですが大体の場合は、「実際に経済実態が悪い。実質マイナス成長だった。」(実態が悪い)とか「不良債権問題が尾を引いたままで、どこで底を打つのか見えない状況だった」(銀行が悪い)、或いは「改革を実行しつつはあるものの、まだ成果が出ていないので株価には反映しない」(改革に着手したばかり)など、本当かどうかは別にして、言い訳というか屁理屈というか、「今はしんどいけど、もう少しで良くなるよ」という何かもっともらしい解説ができたような気がします。 それに加えて、おっかなびっくりの日本人を尻目に、外国人が大局観の下、大幅な買い越しをして下支えしたり、反転に役立ったりしていました。 ですが、最近の状況を見ていると、「少なくとも日本は誤解されていない。」と思えるのです。 改革の進み方が止まってしまっているのでは?-はい、その通りです。 国内格差議論ばかりしていて、旧式のバラマキ政治に戻るのではないか?-はい、その通りです。 結局のところ、日本経済は一部の輸出企業の競争力以外は、全然効率化されていないのではないか?-はい、その通りです。 そもそも、もう日本人自身が、日本という国の成長を信じていないのではないか?-はい、その通りです。 海外からの見方には、ほとんど誤解らしきものがなく、「その誤解が解ければまた良くなるさ」という感覚を持てないような気がします。ゼネコンの株価がまたぞろ、2桁銘柄が出てきました。 良く見ると、バブル崩壊のとき何度も「もうダメ」と噂されたような企業が、まだ2桁株価で生き残っているんですね。いかに、改革を全然してこなかったがわかります。 もちろん、今回の発端は「米国サブプライム問題」が直接の原因であるのは間違いないとは思います。ですが、それによる株価下落がなぜ主要市場で一番ひどいのか、を良く考える必要があると思います。 ビジネスの世界には「限界企業」というのがあります。要は、一番競争力がないのだけど、全体の需要がまずまずのときならばなんとか生き残っていける企業です。 ですから、景気や需要が減退したときに一番最初に被害を受け、市場から退場させられてしまう企業でもあるわけです。なんだか知らないうちに、日本は海外投資家及び日本の個人投資家から見た「限界投資先国」になってしまっていたのだと思いました。 今までは、低金利で多くの投資家が投資先を求めて世界中を探しまくっていました。とにかく、投資しなくてはならないお金が毎年、毎月どんどん増えるので、リスクが大きくても、多少は低金利でつまらなくてもとにかくお金が豊富に出てきました。 日本は、一応まだ世界第二位の経済大国ですから、昔からの惰性も含め海外からの投資もある程度は入ってきていました。 ですが、今回の「サブプライム問題」で、特に米国の投資資金のパイプが急速に細くなってきています。そうなると、どうなるか?いくら細くなったとはいえ、やっぱり投資は続けます。どこかを減らさなくてはならない。 とりあえずキャッシュ化するためには、ある部分の資産を現金化しなければならない。あるいは、現金化まではいかなくても、これを機にポートフォリオの入れ替えを考えなくてはならない。 人は誰でもそうですが、増やすときはあんまりシビアには見ませんが、減らすときは真剣に見直します。その結果が日本切りなのでしょう。 現に、世界各国で下落しているとはいえ、インド株やロシア株などは大して下がっていません。というか、インドはもう回復基調です。 つまり、投資家は日本は限界投資先国だとみて真っ先に切っているが、将来性のある市場でのポートフォリオはなんとか維持していると考えていいでしょう。 私が以前、欧州の投資家に対し「アジアへの投資をある程度の比率は持つように」と言っていた頃は「アジア=日本」だったので、あまり日本、日本と言わずに「欧米亜へのバランスの良い投資を」なんて綺麗な言い方してました。 どっちにしろ、亜への投資が決まれば、自動的に日本だったからです。でも、今は全然違います。亜というのは、第一に中国であり、次はインドです。日本は、昔から継続してポートフォリオを持っていただけのことで、そんなのは「再考」する必要が来れば、すぐに消えてしまう存在です。 つまり世界ベースでのアセットアロケーションの決勝トーナメント(欧州、北米、南米、アジア、アフリカ、旧ロシア・・・)出場どころか、予選段階(アジアの中での優先順位)で落ちてしまっているところまできているのでしょう。 PE(プライベート・エクイティ、いわゆる企業買収の投資ファンド)への影響もこれからジワジワと出てくるでしょう。これらのPEへの資金の出しては、日本企業もありましたが、多くは外国人投資家に支えられてきました。 多分、今はその多くの投資家が痛手をこうむっているでしょう。有名なアメリカ系証券会社や銀行の損金が毎日のように発表されていますが、その影響が出るのはまだ先でしょうが、確実にやってくると思います。 そうなると、事業再生をそれらの資金で賄おうと考えていた企業も当てが外れる可能性が出てくるでしょう。不動産投資も、徐々に資金の出してが減ってくるでしょう。 そんな浮ついた投資の話は、我々には関係ないと思っている人が多いのも、日本の特徴かなとも思います。でも、多くの一流上場企業の株主が日本人ではないというのが実態です。 彼ら海外投資家が一流企業クラスからも手を引いたら、一層株価の下落につながるでしょう。そうなるともうどうにもなりません。以前は、海外、個人が買い支えていましたが、今後は海外投資家が手を引き、国内の個人投資家が日本市場に嫌気をさして、一層新興国へ出て行ってしまうでしょうから、支えてくれる投資家がいなくなってしまう可能性が大きいのです。 こうなると、いよいよ企業の停滞、不動産の不良資産化が顕在化し、ようやく元気になりかけていた日本経済も本格的な「老齢元経済大国」時代に突入してしまう可能性もあるでしょう。 なんだか、楽しいシナリオではないですが、そんな悪い予測まで考えないといけない、最近の株価下落だと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019.12.19 16:44:08
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