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田崎正巳のモンゴル徒然日記

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2022.02.06
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カテゴリ:世界とモンゴル
コロナ対策上、外国からの選手はもちろん、取材関係者も全員バブル内から出ることはできません。ホテルは中国側が指定したところに滞在します。ホテルには当然一般人はいなくて、全員外国からのオリンピック関係者です。

やはり冬季オリンピックということもあり、滞在者の中では圧倒的に欧米人が多いようです。確かに、たくさんの選手を送っているのはほとんど欧米です。東南アジアや南アジアからは、ほんの少ししかいませんからね。もちろん、日本人関係者もちらほらいるようです。

ちょうど春節ということもあり、ホテルの各客室にはグリーティングカードが届けられました。片面には中国語で、片面には英語で「新年おめでとう」と書かれています。これを部屋に届けてくれるのはいいのですが、ホテルスタッフの人は全身真っ白な防護服のまま部屋に訪ねてくるので、ドアを開けるとびっくりしてしまうようです。なぜなら、悪い知らせだと思ってしまうから。なぜか?

期間中、ホテル滞在者は文字通り毎日PCR検査をうけるそうです。なので、その全身真っ白な防御服の人が突然部屋に訪ねてくるということは、陽性になってどこかに連れていかれるのかと思ってしまったというわけです。賛否いろいろあると思いますが、2年以上たっても未だにPCR検査を十分にできていない日本からすれば、中国は大したもんです。岸田さん、最低限の仕事はしてください。

ホテルといえば、テレビの国際放送は意外と見れるようです。ですが、当然それらも常に当局の監視下にあるのでしょう。CNNもNHKも見れますが、「ウィグルの人権が・・・」などの話になると、一気に画面が消えてしまうそうです。競技だけを放送している分には問題ないようですが、少しでも政治っぽい話になると、カットされるそうです。24時間、外国のテレビ放送を監視しているってことなんでしょう。

昨日の開会式、私も半分くらい見ました。出場順番が中国語国名表記の最初の字の画数順だと聞いて、こりゃあモンゴルは相当後ろだなと思いました。お決まりのギリシャの次、実質的な最初の入場はトルコでした。トルコは「土耳古」なので、最初の土は3画で、これが最初ということです。日本の日は10番目ですが、蒙古の蒙は13画?だから、かなり後ろでした。

前日の本ブログで読者の七詩さんからご質問があったので、蒙古という漢字について補足をします。ご質問は「北京五輪の開会式を見ました。各国の表記では、法国、徳国、美国と良い文字をあてている国が多い中、蒙古という表記には違和感を感じます。蒙の意味は漢字文化圏ではほぼ悪い意味ですよね。モンゴルの方はこうした表記に抗議とかしていないのでしょうか。」というものでした。

コメントまでご覧になってない方のほうが多いと思いますので、少し長いですが私の返信を再掲させていただきます。なぜなら、これは世界の問題ではなく日本固有の問題だからです。モンゴルに関心のある日本人にはぜひ再認識していただきたいと思います。

「七詩さん、正しいご指摘ありがとうございます。フランス、ドイツ、アメリカなどの漢字表記は近代になってからのものです。が、中国の隣接国は中世以前から名前があるので、それをそのまま使っています。蒙古は恐らく800年前くらいからでしょう。これはモンゴルという音の当て字です。

中国は中国だけが偉いという中華思想の国ですから、隣接国を漢字にするときにできるだけ「蔑んだ」「馬鹿にした」文字を意図的に当てます。蒙古の蒙はおっしゃる通り、非常によろしくない意味です。それは偶然ではなく、意図的です。

しかしながら、実はこの蒙古という字を使うのは世界で中国と日本しかないのです。韓国は全てハングル表記ですから。あえていえば、台湾もですけど。そういうことで、聞く耳を持たない中国を別にすれば、世界中で「蒙古」が問題になる国は日本だけなのです。

戦時中は「満蒙」に代表されるように当たり前のように蒙古を使ってきましたが、戦後は蒙古を止めモンゴルに変えようという動いています。1972年の日本とモンゴルの国交樹立以来、日本政府は公式文書では蒙古は一切使いません。私もこのブログにおいては、基本的にはモンゴルしか使いません。モンゴル政府やモンゴル人は、漢字に関心もないでしょうし、相手があの中国ですから、ほとんど気にしていないと思います。」
以上です。


開会式の模様を続けます。

その時のアナウンサーによれば、モンゴル選手団はノルディックスキー距離の2人だけと言っていました。「あれ?バイアスロンは?確か4-5人出るのでは?」と聞いていましたが。。。

多くの日本の代表は「日本で選ばれれば、それが代表になる」という恵まれた環境ですが、そういう枠を与えられていない国は、開幕直前の1月の国際大会などで勝たないとオリンピックには出られないのです。

モンゴルの数人の選手は「かなり期待できる!」ようでしたが、惜しくも最終的には出場できなかったそうです。うーむ、この辺なんとかならないんでしょうか?特に冬のスポーツは、多くの夏の競技と違い、「世界のだれもが参加できる」という環境にはありません。

そもそも雪や氷があるのか?で、大半の東南アジア、南アジア、中東、南アメリカの国々には不利です。更にモンゴルのように寒い国でも、競技施設が必要です。ゲレンデ(ウランバートルのスキー場ではない、競技用の)、スケートリンク(競技用のリンク)、ジャンプ台など、大きな設備が必要ですから、ハンディが大きいのです。

「競技レベルが低い国は出なくて結構」ではなく、各国の冬季スポーツを推進するための枠を設けないと、いつまでたっても「いわゆる先進国だけの大会」になってしまうような気がします。

開会式でモンゴル選手が入場してきたときに、観客席がアップになりましたが、恐らくオユーンエルデネ首相の姿ではないかと思います。その隣に手を挙げて喜んでいるモンゴル人は誰なんでしょうか?側近かな?

本ブログで「オユーンエルデネ首相が習主席と会う」ようなことを書きましたが、残ながら実現しませんでした。オユーンエルデネ首相が会ったのは李克強首相でした。2月5日に会ったとのことです。まあ、オリンピック期間中ですから難しい話はしないでしょうけど。





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Last updated  2022.02.06 20:52:50
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