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カテゴリ:世界とモンゴル
2日の国連総会で、「最も強い言葉で遺憾の意を表す」という決議がなされました。こんな緩い言葉の決議に何の意味があるのかわかりませんが、「より賛成票を増やすための語句調整」があったようです。
そのおかげか、2014年のクリミア半島占領時の反対決議の時の賛成国は100か国だったのに対して、今回は141か国と4割ほど増えたようです。ただ2014年の決議を知れば、それが何の影響力を持たないことは明白です。クリミア半島占領時よりももっとひどいウクライナ侵攻を防げないのですから。 私自身は国連決議には何の力もないとは思っていますが、どういう国が反対しているのだろうか?そして棄権はどんな国?には興味を持ちました、反対しているのは、まさにロシアの悪友と言える面々です。 ベラルーシ、北朝鮮、シリア、エリトリアそしてロシアです。前者3か国はヤバい国でおなじみの名前です。エリトリアは、一瞬「エストニア?リトアニア?」などバルト3国と勘違いしそうな国ですが、アフリカの角にある、付近を航行するタンカーなどを襲う超危険な共産主義独裁国家です。ま、これらは評価のしようもありません。 問題は、35もある棄権国です。その多くが中国などの独裁国家ですが、なんとこの中にモンゴルが入っているのです。前回も申し上げましたが、パイプラインも喜んでサインするくらいですから、ロシア様には足を向けて寝られないのです。 とはいえ、ここは国連の場です。多くの国々がその立場を見ています。棄権したのは基本的にはヤバい国ばかりであり、まともな民主主義国家はありません。 ということで、この35か国がどんな国々なのかを見てみます。とはいえ、単純に35か国も紹介しようがないので、先日、本ブログでご紹介した「世界民主主義指数」と「世界平和指数」を用いて見てみます。 これは前者が167か国、後者は163か国を対象としていますので、対象国数はほとんど同じです。ということで、私が勝手に「このランキングの平均値が、その国の民主主義度合いと平和度合いを表す民主平和指数」と定義します。 例えば、日本は民主主義が17位で平和が12位なので、民主平和指数15(四捨五入)となります。民主主義1位のノルウェーは平和で14位なので、8となります。平和1位のアイスランドは、民主主義5位で3。ニュージーランドはともに2位なので、指数も2です。このニュージーランドが民主平和指数のトップになります。 こんな感じで、今回の棄権35か国を試算してみました。実際には南スーダンのデータがないので、対象は34か国です。その前に今回の反対国を見てみましょう。北朝鮮など、そうそうたるインチキ国家が名を連ねています。 まず当事者であるロシアです。民主主義124位、平和154位、民主平和指数139とやはり堂々たる下位国です。それ以外の民主平和指数は、北朝鮮158で、さすがロシア以上のヤバい国であることは明確です。シリアは162と更に北朝鮮を上回ります。ちなみにこの指数の最低国候補であるアフガニスタンは、平和指数163位で最低ですが、民主主義指数の対象にもなっていないので、ランク外です。 そういう前提で見ると、民主平和指数最低国はやはりシリアとなります。アフリカの角エリトリアはどうでしょうか?こちらは145となっており、「アフリカの北朝鮮」とは呼ばれていますが、ダメ国家度は北朝鮮にはかないません。 ロシアの下僕であるベラルーシは?こちらは132と、なんとロシアより「まし」な国となっています。俗悪国家になりにはまだ修行が足りないのでしょう。というわけで国連決議反対5か国の民主平和指数平均は147となりました。 そして我らがモンゴルを含む棄権34か国です。上記の反対5か国平均147に対して、棄権34か国の平均は107とかなり良くなっています。107とは実際にどんな国なのでしょうか?民主主義指数107位はナイジェリア。うーん、微妙ですね。 パキスタン104位、パレスチナ109位ですから、やはり民主主義とは遠い存在です。平和指数107位はパプアニューギニア。これもなかなかイメージしにくいです。中国が100位で暴れん坊のトルクメニスタンが109位。これもとても平和な国とは言えませんね。 棄権34か国中の民主平和指数ワースト3を見てみましょう。ワースト1位は159の中央アフリカ!北朝鮮を下回り、最低国家シリアに迫るすごい数字です。相当ヤバい国なんでしょうね。2位はスーダン149、3位はイラク138。これは頷けますね。 ではロシアに忖度し、擁護しながらも、そこそこ民主的で平和な国はどこなんでしょうか?棄権34か国中の第3位は、71のアフリカ・セネガルです。民主主義指数は88位ながらも平和指数が54位と健闘しています。首都ダカールは自動車ラリーで有名です。 第2位はこれもアフリカのナミビアで指数60です。民主主義指数55位、平和指数65位とバランスよくまずまずのランクにいます。こういう国がロシアに忖度するのは、やはり武器援助などによるのでしょうか? そして栄えある民主平和指数棄権国中第1位はなんとモンゴルです!!民主主義指数62位、平和指数42位で、民主平和指数52です。素晴らしい!と言いたいところですが、これはあくまで棄権34か国の中の話です。ですが、裏を返せば、今回反対及び棄権した34か国中で「もっともまともな国」とも言えます。ここにモンゴルの苦しさが如実に表れています。 モンゴル国民の心の中は、他の多くの平和を愛する人たちとほとんど変わらないのです。ですが、中露にサンドイッチされている国に、自国の発言の自由があると言えるでしょうか?ロシアの機嫌を損ねれば、即、ガソリンは入らない、電力だって怪しい。中国の機嫌を損ねれば、石炭輸出はストップし、必要な日用品・食品も入ってこない。きれいごとを言う日本やアメリカに同調するわけにはいかないのです。 世界が中露を犯罪国家と見なせば見なすほど、世界と仲良くなりたいモンゴルはその立場の意思表明が難しくなるということです。辛いね、モンゴル! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.03.12 20:09:39
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