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田崎正巳のモンゴル徒然日記

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2023.06.01
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霧馬山がいよいよ大関になりました。

  • m_20230531055.jpg

モンゴルのご両親もお喜びのことでしょう。

霧馬山の出身地や霧馬山の名前の由来については、本ブログの本年3月30日付け「霧馬山、ドルノド出身だけど、内モンゴル人も気になるのはなぜ?」(https://plaza.rakuten.co.jp/mongolmasami/diary/202303300000/)を書いたので、そちらをご参考に。

そのブログで、彼がドルノド県の遊牧民の息子だったことは書きました。おじいちゃんが内モンゴルからやってきたウゼムチン族です。ネットの記事によれば家畜が1500頭もいたとあります。ちょっと信じられませんが、この数字が本当だとすると相当に大規模な遊牧民と言えます。

遊牧民にとっての家畜の数は多ければ多いほどいいというものではないからです。近代的な牧畜業やアメリカ的な企業経営であれば規模は大きいほどいいでしょうが、家族経営の遊牧の場合はそうとも言えないのです。

  • Image_20230602_0001.jpg

地図中央にあるのがチョイバルサンというドルノド県の県庁所在地です。セルゲレン・ソム(郡)はその北約60kmのところです。地図の右に赤い線で書かれているのがハルハ河です。日本名ノモンハン事件、モンゴル名ハルハ河戦争のエリアです。


私も詳細を知っているわけではありませんが、大体こんな感じのようです。遊牧民とそして専業でやっていくには、最低でも300頭程度は必要です。もちろん、家畜の種類のミックスで多少の違いは出ますが。まあまあの中規模で500頭くらい。

1000頭ともなるとかなりの規模です。私は以前遊牧民に聞いたことがあります。「今、1000頭もいるけど、将来的には2000頭とかそれ以上を目指すんですか?」と。それに対しては、きっぱりと「それはできない」と言われました。

いくつも理由があると思いますが、大きく2つあると思います。1つは、えさの問題。えさとは草、つまり草原ですが、1500頭にもなると、自宅ゲル付近の草原の草はあっという間に食べきってしまう可能性があるということです。

単純計算で、300頭で3か月くらい過ごせる場所が、その5倍となると単純に3週間足らずで食べきってしまいます。3か月ごとに移動しているとすると、3週間ごとに移動しないといけないということです。いくら遊牧民と言えども、これは簡単ではありません。

もう1つが、管理の問題です。500頭くらいまでなら、家族(お父さんと子供数人)で家畜の移動などの管理ができますが、1000頭となると家族だけでは難しいです。親戚の子を呼んだりします。

ですが、1500頭だと、家族内ではもうお手上げで、外部の人を雇う必要も出るようです。そうなると、賃金かどうかはわかりませんが、かなりのコストが発生してしまうということなのです。家族だけでやるとなると、せいぜい7-800頭が限界のようにも聞きました。

その観点からしても、1500頭というのは相当な規模です。まあ、情報源が日本のスポーツ紙なので、数字が正確かはよくわかりませんけど。

ですが、いずれにしてもかなり大規模な遊牧生活をしていた両親のもとに生まれたのでしょう。逸ノ城と同じように、本物の遊牧民の子として小中学校まで草原で育ったとのことです。

  • sph_20230530144518_1_thum1x1.jpg

草原に立つ霧馬山の少年時代です。

良い体つきですね。確かに親方が霧島だったころにも似ているような筋肉質の体系です。師匠である元霧島の陸奥(みちのく)親方の指導も良かったようですが、モンゴルの先輩である部屋付き親方である鶴竜親方の指導やアドバイスが良かったようです。

  • 20230531-OHT1I51401-L.jpg

おそらくナーダムの時の写真でしょう。

やせっぽちだった霧馬山に対して「どんぶり飯3杯!」を義務とさせられ「日本で一番いい」食べ物として納豆を勧められたそうです。日本食が大丈夫なモンゴル人でも納豆が苦手な人は結構いますから、食に関してはちょっと大変だったと思います。元白鵬の宮城野親方は「組んでよし離れてよし」と彼を絶賛しているそうです。

恐らく、千代の富士、霧島系の帰任肉質を保ったままの強い力士になっていくのではないかと期待しています。新聞などではモンゴル出身で6人目の大関とあります。驚くべきは、5人、つまり朝青龍、白鵬、日馬富士、鶴竜そして照ノ富士の5人全員が横綱になっているということです。当然、大関霧島も横綱になってくれるものと期待しています。

そして来場所には豊昇龍にも大関になってもらいたいと思います。その下には北青鵬もいますので、再びモンゴル出身力士が横綱大関をにぎやかす時代が来そうです。



モンゴルがらみで一つ追加です。モンゴルと関係している方々及びモンゴル人の方々にはちょっと気に留めておいてほしい力士がいます。それは狼雅(ろうが)という十両力士で、まだ24歳と若いです。

彼はロシアのトヴァ共和国出身のモンゴル人なのですWikipedeiaによれば、国籍はモンゴルだそうです。よくご存じない方のために簡単に言えば、トヴァとはモンゴル人居住地域でしたが、ロシアに盗まれて今はロシア連邦になってしまったところです。

居住地だけでわかるのか?という方もいるかもしれませんが、彼の本名がアマルトゥブシン・アマルサナーと聞けば、100%モンゴル人だとわかります。(お父さんはブリヤード人、お母さんはロシア人)

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狼雅です。

彼が14歳の時にモンゴル国へ移住し、モンゴル国籍を取得したそうです。これはとても良い判断だったと思います。なぜか?

彼がまだトヴァにいたら、率先してウクライナに送られたであろう、ロシア内では差別を受けている地域なのです。モスクワの若者は「戦争なんて関係ない!」という生活を送っていますが、ロシア連邦内のトヴァ共和国やブリヤード共和国にいるモンゴル人は大量にウクライナに送られているからです。(もちろん、たくさん戦死している)

彼もモンゴル人力士として、応援したいと思います。ただ、相撲の紹介では「ロシア出身」ということになっているようです。ま、出生地は確かにロシアですから。





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Last updated  2023.06.14 21:46:13
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