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カテゴリ:モンゴル出張
今回の訪問では、教育関係の方々とも会っています。最初に日本的教育をベースにモンゴル有数の中等学校となった新モンゴル学園に行きました。
場所はウランバートル市東部の街の中にありました。ここは2000年に日本の山形大学や東北大学に留学していたガルバドラッハさんが設立された学校で、今やそのグループの学校は9つにも及ぶそうです。その理事長さんであるガルバドラッハさんの学校設立の思いなどを伺いました。 日本の教育の良い点を取り入れながらも、モンゴルらしさも生かした思いに、真面目で教育熱心な方なんだと思いました。 そこで、日馬富士学校(新モンゴル学園のグループ校です)についても聞くと「今から連絡するから、会いに行けばいい。」と紹介してくれることになり、実際に行きました。場所は、新モンゴル学園が東部で街中にあるのに対して、新モンゴル日馬富士学園は西部にあり、広いキャンパスを持った立派な学校でした。 元横綱日馬富士が学校を作ったというのは聞いていましたが、やはり実際に見ると大きくて立派でした。 写真では全部を写すことはできませんでしたが、全部で3棟から成り立っています。2018年創立です。 ロケーションは、市街地から新空港(及び旧空港)へ向かう途中にある場所で、渋滞がなければ中心部から車で30分もかからないところです。(但し、渋滞はいつもありますけど)10年前のこの辺は、まだ時折遊牧されてる牛や羊がいたほどの、のどかな場所でしたが、今では都市の発展と共にたくさんのマンション、ショッピングセンターなどが立ち並ぶ地域となりました。 急なアポイントにもかかわらず、日馬富士不在ということで奥様でManagement Managerのバトトールさんと対外折衝担当の方が校内を案内してくれました。私はあまりモンゴルの中等学校(モンゴルは小中高一貫教育が基本です)を見た件数が多いとは言えませんが、今まで見たどの学校よりも広く快適そうな校舎でした。 理事長室の前を通った時、「日馬富士さんは週にどのくらい来られるのですか?」と聞いたら「基本的に毎日です」と岩手大学出身のバトトールさんはきれいな日本語で答えました。「昨日も来ていましたし、本当に毎日来てます。子供たちのことを考えるのが好きなんですね。本当に今日はたまたまいないんです。」と。 モンゴルではもう夏安みに入っていますから、理事長が不在だとしても不思議ではないのですが、日馬富士は基本的に100%教育に没頭しているそうです。私が「投資とか、ツイッターとかで忙しいあの横綱とは違うんですね?」というと、「横綱は教育だけです」と言ってました。ちなみに、バトトールさんは私たちとの会話では、日馬富士のことを横綱と呼んでました。 大きな体育館を見せてもらいました。 この写真ではわかりにくいですが、大きな平らな屋内スペースが少ないこともあり、企業がイベントなどで貸してほしいということもあるそうです。 更に図書館にも行きました。なかなか立派な図書館でした。夏休みではありますが、スタッフの方々が本の整理などをやってました。本棚を見ると、モンゴル語の本とは別にかなり多くの日本語の本がありました。そのほとんどは、日本人からの寄贈だそうです。 分野的には、いかにも子供向けの本から、普通の小説などもあり、中には「新潟県高校入試」という受験対策用の本もありました。これらは、恐らくいろんな日本人の方々が不要になった本を寄付したんだろうなという感じでした。「でも、本の数はまだまだ不十分なんですよ」と言ってた通り、大きなな図書館の本棚にはまだスペースが空いていました。 うーむ、私は今まで何箱も処分のために超安値で古本屋さんで処分してきましたが、こういうところで読んでもらえるなら、その方がいいなあと思いました。本は重くかさばるので、輸送費の問題になるかもしれませんが、考えてみたいと思います。 同時に、この学校の生徒らに私が書いた本を読んでもらいたいと思い、5冊寄贈することを申し出ました。 日本の感覚では2018年設立と言えばまだ新設校で、評判はこれから徐々に高まるかもしれないという感じですが、現地のモンゴル人に聞くと「いや、もう人気校です。私の親戚の子もここに入れました」と言ってました。 わずか6‐7年で今では1500人を超える生徒数だそうです。高校から入学した生徒らは既に卒業生も出ており、日本へ留学した人も多いそうです。先に訪問した新モンゴル学園と合わせて、生徒数は300人以上にもなる大きな姉妹校ということです。 学校の案内や会議室でのミーティングを終え、帰るために入口ロビーに出てきたまさにその時でした。上下ジャージ姿の日馬富士が目の前を通りました。私たちが驚いていると、バトトールさんが簡単に紹介してくれ、横綱自らこちらへやってきて、挨拶と握手をしてくれました。 急遽、名刺を差し上げてあいさつしました。間にいる方が、バトトールさんです。 さらに、「じゃあ、写真撮るか?」と自ら申し出てくれて、一緒に写真に納まりました。 3人で撮りました。 驚いたことに、横綱は挨拶もそこそこにロビーにあるグランドピアノに歩いていき、そこでピアノ演奏を始めたのです。今は夏休みですし、私たちが今来た時もこのロビーには誰もいませんでした。つまり誰に聞かせるわけでもなく、自分一人でピアノ演奏を楽しんでいるようでした。 学園内には、横綱のプロレベルの絵(東京で個展をやったこともあるほどの腕前)や書も飾ってありましたが、音楽もたしなむのを見て、やはり想像通りの芸術肌の人なんだなと思いました。夏休みのだれもいないロビーで上下ジャージ姿でピアノを弾く日馬富士を見て、本当に教育をこの学校を愛しているんだということがひしひしと伝わってきました。 非常にすがすがしい気分になった日馬富士学園訪問でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.06.30 14:01:58
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