カテゴリ:父の麦わら帽子
この季節になると、PCの中に元気だった頃の父の思い出のひとつの食事メニューをみる。
それは、けっして、豪華なものではないけれど、父はいつも笑いながら言っていた。 「ああ、ありがたい、ありがたい。」 ************************************************* 1日目(12月30日) ●夜● *ごはん*煮魚*味つけ海苔 *みそ汁 2日目(12月31日) ●朝●*ごはん*みそ汁*卵焼き*つけもの*味つけ海苔 ●昼●*ごはん*みそ汁*肉じゃが*味つけ海苔 ●夜●*巻きずし*さしみ*年越しそば 3日目(1月1日) ●朝●*雑煮*おせち ●昼●*ごはん*スキヤキか水炊き*おせち ●夜●*ごはん*ボンカレー*さしみ*おせち 4日目(1月2日) ●朝●*雑煮*のこりもの ●昼●*ごはん*のこりもの *************************************************** 結婚してからも年末年始はいつも実家に帰った。 父や母が老人ホームに入ってからも私と妹は、正月を故郷で迎えられるようにと連れて帰った。 実家にはもう住む人がいなくて、米から調味料から全てを持って行かなければならない。 私が泊まる間の食事のメニューを作って、妹にファックスして、妹が材料を買って来た。 父の友人や村に人たちが遊びに来て、酒を酌み交わして、喋って、笑って・・・。 帰る日には、残り物を食べてもらった。 それでも父は満足そうに笑いながら言った。 「ああ、ありがたい、ありがたい。」 2002年の正月は、故郷に帰れなかった。 私が、足をくじいて歩きにくかったから・・・。 そしてその2月26日、1ヶ月も入院しないで風邪で死んでしまった。 2002年の正月、あの時、父は元気だった。 帰っていれば、きっと大喜びしただろう。 そうすれば、風邪なんかひかずに、死なずにすんだかもしれないのに・・・。 悔やんでも、悔やんでも、あの日は帰らない。 ~~~~~~~~~~~~ ■父の麦わら帽子■ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ◎自然と人間が仲良く暮らしていたころの話です。 ★12月22日*松迎え* UP お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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