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2007.11.26
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カテゴリ:父の麦わら帽子
まつご
子どもの頃の仕事に、「まつごかき」があった。
「まつご」は、松の枯葉という意味の古い言葉。
まつごは、風呂の焚きつけに使うと、ぱちぱちとよく燃えた。

そのまつごをとりに山に行くのが子どもの私の仕事だった。
大きな籠を背中に背負って、手には、熊手を持って山に、入った。

松の木の下に落ちている、まつご(松の枯葉)を、熊手で集めた。

「あっ、マツミドリがある」と、いつも一緒に行っていた、近所のノブちゃんが言った。
ノブちゃんの指差す木の上には、私たちの好きな、マツミドリがあった。

「マツミドリ」とは、ヤドリギにの実。
私たちは、マツミドリを見つけると、小さなマッチ棒大の実を採って食べるのだった。
それは、ネバネバとして、まるでガムのようだった。

「マツミドリ、美味しいね」とノブちゃんが言った。
「ガムよりも美味しいね」といつか食べたことのあるガムを思いながら私も言った。

去年、旅先でまつごが沢山池に浮かんでいるのを見た。
ああ、昔だったら風呂焚きに持って帰るのに・・・。
そう思いながら、とっさに、マツミドリの味を思い出した。

今も昔も山は変わらず私たちに山の恵をくれる。

ただ、今はそれを恵だと気づかなくなってしまった。

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◎自然と人間が仲良く暮らしていたころの話です。
★11月26日*父の麦わら帽子:目次UP
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Last updated  2012.09.24 19:03:05
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