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テーマ:お勧めの本(7220)
カテゴリ:書籍
本業の?株が振わないのでちと現実逃避…
久々の図書シリーズ!!! この本は、雑誌か何かで紹介されていたのを読んで衝動買い。 内容としては、なりゆきで亡友の家の留守を守ることとなった綿貫征四郎の体験する 四季のうつろいと魑魅魍魎とのふれあいという感じの伝奇的随筆。 魑魅魍魎と云えば水木"げげげの"しげる翁かその弟子・京極夏彦が思い起こすが、 この作品の主人公綿貫征四郎は京極作品の京極堂シリーズに出てくる関口巽に近いかもしれない。 同じ文章書きの端くれにして、それほど売れているわけでもない。綿貫については 特に明記されてはいなかったが、娯楽作品というよりは純文学を生業としているのだろう。 この作品を読んでいると文章自体はとても綺麗なのに、あまりに非現実と現実が自然に なじんでいるので、最後の最後には廃人となって妄想の世界に住んでいる綿貫が現れる のではないかと気が気ではなかった。(関口は時々あっち側へ行っている事がある…気がする。) 魑魅魍魎については、妖怪大家の弟子である京極は、妖怪のディテールや意味づけに徹底的に こだわるのに対し、こちらはかなりルーズで(河童・人魚が出たと思ったら聖母が降臨したりする) 和洋ごちゃ混ぜのメルヘンチックな雰囲気を醸し出している。 いつも京極作品を読んだ後は、目一杯ダークサイドへ落ち込んでいくので、そこから戻ってくる ために、江國 香織などを処方するのが常であるのだが、これからは梨木香歩をその処方箋に 加えたいと思う。 お勧め度 ★★★★☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年01月18日 21時53分05秒
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