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カテゴリ:書籍 貫井 徳郎
「症候群」シリーズの第ニ弾。
[主な登場人物] 環 敬吾・・・警視庁警務部人事二課係員。職場では窓際族を気取り、その裏で特殊工作を担っている。 倉持 真栄・・・肉体労働者。環の命令で動く元警察官。 原田柾一郎・・・私立探偵。環グループの一員。元警察官。 武藤 隆・・・托鉢僧。環グループの一員。元警察官。 [著者] 貫井 徳郎・・・「慟哭」「失踪症候群」「殺人症候群」「プリズム」外 [物語] 今回は予想どおり、武藤隆をフューチャーしたお話。 托鉢僧をしている武藤は、一人のティッシュ配りと知り合いになる。 実はティッシュ配りは日本有数の大企業の御曹司の仮の姿で、彼の子どもが誘拐されたことで、その騒動に武藤は否応なしに 巻き込まれてしまう。 一方で、インターネットを介した小額誘拐事件が続発。 武藤を除く「環チーム」は解決に当たるが、二つの誘拐事件は環によって結び付けられることとなる。 [感想] 環チーム3人のうちでは一番影の薄い武藤が主人公。 武闘派な倉持、探偵としてのスキルを持つ原田と比べ、武藤には余りこれといった特技もなく、刑事経験もないみたいで 誘拐事件に巻き込まれていながら素人以上の働きができない。 それでいて今回は、3作中で一番「環チーム」の影が薄く、ほとんど武藤のパートだったように思う。 筋立てとしては、貫井作品にしては珍しくシンプルで、中盤に行くまでにほとんどオチが読めてしまった。 貫井作品特有の人物の取り違いを利用したどんでん返しもなく、盛り上がりに欠ける作品。 被害者の父親(高梨道治)の担った役割も中途半端で虚構なんだからもう一つ捻ってあってもおかしくない。 誘拐犯「ジーニアス」も今までの貫井作品ならあっと驚く演出があるはずなのに失望させられた。 やはり3作目が一番面白かった。 [採点] 人物描写 ★★★☆☆ 物語 ★★★☆☆ 技術 ★★★★☆ 小額誘拐のアイデアは買い インパクト ★★☆☆☆ 総合 ★★★☆☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年10月22日 16時16分57秒
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