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カテゴリ:書籍
日本テレビ系ドラマ「野ブタ。をプロデュース」の原作 [登場人物] 桐谷 修二・・・クラスの人気者。 小谷 信太(野ブタ。)・・・イジメられっ子。 マリ子・・・修二の友達以上恋人未満の微妙なガールフレンド 森川、堀内・・・修二の友達 [物語] 退屈な高校生活をやり過ごすために桐谷修二という「着ぐるみ」をまとい、友情ごっこを続ける修二。 そこへイジメにより転校してきた信太(野ブタ。)が現れる。 初めは他のクラスメートと同じように消極的にイジメに参加していた修二だったが、ふとしたきっかけから野ブタに慕われるようになる。 自分の才能で野ブタをクラスの人気者へプロデュースすることを思いついた修二は、次々と作戦を実行に移していく。 徐々にクラスに受け入れられていく野ブタ。 全てが順調に進んでいたと思われていたプロデュースだったが、ある事件により、修二の「着ぐるみ」は剥がされる。 クラスからの信用を失った修二は立ち直れるのか。 [観想的なもの] テレビでは堀北真希が野ブタを演じ、亀梨和也が修二、山下智久がドラマオリジナルキャラクター草野を演じた。 大きな相違点は、野ブタの性別、プロデュース側が修二一人であること。 野ブタが男なので恋愛沙汰はなし。 文体はかなり軽いものの、内容は寓話的でコメディでありながらサスペンス。 [以下ネタバレあり] 修二は、自分の見せ方をコントロールする才能を有し、そのことに自負を感じている。 野ブタという格好の実験体を見つけることで、修二は自分の才能がどれ程のものか試してみたくなる。 自らにかかっている魔法を人にもかけてみたくなる誘惑。修二はそれに負けてしまう。 結果として、彼は自分にかかっている魔法すら喪ってしまう。 そして、修二は逃げ出す。 恐らくその先には「キモい」「クサい」「ダサい」第二の野ブタへの道しか残されていないのに・・・。 人物描写 ★★★★★ 物語 ★★★★☆ 技術 ★★★☆☆ インパクト ★★★★★★ ドラマのように上手いことまとめるのかと思いきややられた。意外と恐かった。 総合 ★★★★★ [作品から] この距離感、居心地がいいんだ。 遠過ぎたら寂しいし、近過ぎたらうっとうしい。 適当に笑わしておけば波風立たないし、誰にも嫌われない。 むしろ好かれることのほうが多いし、いろいろ得することだってある。 自分が他人と合わないからって一人の世界を作ってしまう奴。 そんな奴は弱すぎる。 障害物があるからって違うコースを走るのか。 そんなもの全部キレイにかわして走ればいいんだ。 嘘でもデマカセでもなんでも使えばいい。 どうせ死ねば灰になる。 抜かれる舌など残っていないのだから。 いらないんだ、そんな深い繋がりは。 俺が欲しいのは適度な愛情だ。 どうやったって消えはしない寂しさと虚しさを仮に埋めるだけの薄っぺらい愛情だ。 だから誰も俺の中に入ってこなくていい。 どうせ孤独は埋まらないんだ。 愛してるって抱きしめたって、抱きしめられたって何一つわかりやしない。 いつだって疲れて、虚しさに苛まれるだけだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年10月22日 21時25分49秒
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