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酔生夢死

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2007年02月17日
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カテゴリ:書籍


[登場人物]
門脇 雄介・・・セキュア・ミセニアム総務部員
丹羽 史朗・・・門脇の親友

破風崎 仁・・・窃盗団リーダー
棟安 甚市・・・破風崎の右腕

遠屋敷一眞・・・ネクスト・ミレニアム会長
二階堂勝利・・・システムトライアンフ社長


[物語・ネタバレあり]
ネクスト・ミレニアム社の子会社、セキュア・ミレニアム社で総務部員として働く門脇は、偶然大学時代の親友丹羽と再会する。

久しぶりに会った親友から持ちかけられたのは、セキュア・ミレニアムで主催する"ブレイクスルー・トライアル"への参加だった。

セキュア・ミレニアム社では、自社のセキュリティシステムの強固さを実証するため、参加者を募り、自社の研究所への侵入実験を催していた。

見事、研究所から目的物を持ち出せれば賞金は一億円。

それとは別に、丹羽はその研究所内に隠されているというネクスト・ミレニアム会長遠屋敷一眞の極秘資料を奪うことを計画する。

丹羽は、遠屋敷の妾の子供であり、適度に距離を持ちながら成長したが、丹羽に子供ができた途端、遠屋敷の後継者として取り上げられていた。

子供を奪い返すために、遠屋敷の弱みを握ろうとする丹羽。

一方で、門脇は、幼少時代に、父の事業失敗により借金漬けの生活を送る破目になりそうだったところを、当時の父の共同経営者で現在システムトライアンフ社長となる二階堂勝利に救われていた。

その上、二階堂は門脇に新しい身分と、生活に困らないよう援助もしてくれた。

以来、二階堂の恩義に報いるため、門脇はライバル会社であるネクスト・ミレニアムに入社し、機密情報を流すスパイとなっていた。

門脇は丹羽の申し出により、図らずも、二階堂への格好の手土産が目の前に転がり込んできたことになる。

親友をとるか、恩人への恩義をとるか、門脇は葛藤する。


一方で、宝石強盗を生業とする破風崎・棟安の強盗コンビは、仲間の裏切りにより強奪した宝石を横取りされ、その宝石がひょんなことからセキュア・ミレニアムの研究所へ送られてしまい、奪い返すためにトライアルへの参加を余儀なくされる。


研究所の管理人を務める草壁修造の娘・梓は、調査会社の一員として宝石強盗を追ううちに、父が管理する研究所に宝石が送られた可能性に行き着く。

宝石奪還のため、研究所へ乗り込む梓。

その日、研究所ではまさにブレイクスルー・トライアルが行われていた・・・


[観想的なもの・ネタバレあり]
2007年「このミステリーがすごい!」大賞受賞作

物語のポイントは2つ
・警備が厳重な研究所への侵入のための準備及び実践
・図らずも犬猿の仲のネクスト・ミレニアム遠屋敷一眞とシステムトライアンフ二階堂勝利の代理戦争を演じることとなった門脇と丹羽の葛藤

それに、手段不問で暴走する破風崎一味と事情を知らずに研究所に踏み込む梓が物語をかき回す。

ブレイクスルーモノとしては、米ドラマ「プリズン・ブレイク」なんかが印象に残っているが、それと比べると物足りないような。

突破すべきは、生体認証システムと新型警備ロボット。

それぞれ、仕様を調べ、スマートに突破する門脇たちに対して、そもそも法律を守る立場にいない破風崎たちは全て破壊するという荒業で正面突破を図る。

それぞれ、すんなりと通ってしまっているので、これで本当に最新鋭の警備システムなのかしらと逆に不満に思ってしまう。

この研究所の本当の凄さは別にあるのだけど、それは、トライアルのためというよりは伏線を張るがために用意されたような出来で賛意出来ない。


二つ目の門脇の葛藤だが、大学時代の親友が、実は犬猿の仲として世間を賑わす有名企業の社長の子供(同然)同士という都合のいい設定はともかくとして(笑)、葛藤が大きいわりに解決はあっさりし過ぎている気がする。

秘密を明かされた途端、トライアル中にも拘らず、はい、さようならと放り出す丹羽

それでいながら、門脇がピンチになると颯爽と舞い戻ってきたりする。

それぞれの利害が両立しないからこそ葛藤したはずの門脇は、結局両方の希望を満たし、めでたしめでたしって甘すぎない?

ついでに言えば、破風崎たちも無事宝石を奪還し、梓も当初疑った父への宝石強盗グル説が潔白だと証明できたし。


ただ、全体を通じ、非情と思われていた遠屋敷が、学生時代の親友である草壁に研究所と自らの秘密を託し、草壁もそれに応えて文字通り命を懸けて護ろうとする姿、そして、最後には門脇、丹羽にもそれと同様の気持ちが芽生えていたことはよかったと思う。



人物描写    ★★★☆☆
物語      ★★★☆☆
技術      ★★★☆☆
インパクト   ★★★★☆

総合      ★★★☆☆  読み易く、娯楽作品としては"良"か。







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最終更新日  2007年02月17日 10時32分11秒
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