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カテゴリ:書籍 道尾 秀介
[登場人物] 真備 庄介・・・真備霊現象探求所所長。霊現象の研究者? 道尾 秀介・・・作家。真備の学生時代からの友人 北見 凛 ・・・真備の助手 六代目松月・・・「瑞祥房」房主 野方 摩耶・・・「瑞祥房」の仏師 唐間木・・・「瑞祥房」の庭師 魏沢良治、岡嶋聡一、鳥居伸太・・・「瑞祥房」仏師 韮澤隆三・・・20年前「瑞祥房」から失踪した仏師 慈庵住職・・・瑞祥寺住職 [物語] 前作「背の目」事件から10か月。作家道尾秀介は親族の結婚式に出席するため滋賀県大津へ出向いていた。 結婚式を終えた秀介は、近くにある有名な仏像の工房「瑞祥房」を訪ねる。 夜中に目がさめ、カメラを工房忘れたことに気がついた秀介は、工房に忍び込むが、何者かの気配を感じ、笑う千手観音を見る。 怖くなった秀介は逃げ出し、途中「マリ・・」と繰り返しつぶやく声を聞く。 翌朝、仏師の一人が失踪し、「マリ」について尋ねた秀介も理不尽に追い出される。 秀介は東京に戻り、霊能力探求所を営む友人・真備庄介に助けを求める。 事件の発端は20年前の仏師の失踪にあることを突き止めた庄介たちの謎解きが始まる。 [観想的なもの] 「背の目」に続く、道尾秀介シリーズの第二弾。 かなり特徴のある作風。ミステリといわれる作品に張られている伏線は5個くらいだったりするのだが、この人の場合は10も20も用意していて後半にそれを怒涛のように解き明かしていくので、その爽快感がたまらない。 一方で、ミステリとしてはやや邪道で、犯人捜しの手がかりとして固めた情報をあっさり反故にする手法が続いている。 (犯人が繰り返し虚言を吐いたり、性別・血液型等さりげなく置かれるヒントが後々になってひっくり返されたり) そのために伏線が張られていることもあり、一応の対処はしているものの、少々アンフェアであることは否めない。 今回は仏像蘊蓄に走り、ホラーとしてのウェイトを高めた反面、霊現象を探究するという前作のスタンスは放棄した模様。 最後の謎解きに憑き物落としの手法を用いた所は前作同様だが、亡き妻との邂逅を果たすというこの作品のテーマには近づけなかったのでは。 人物描写 ★★★★☆ 物語 ★★★☆☆ 技術 ★★★★★★ インパクト ★★★★☆ 総合 ★★★★☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年04月21日 10時54分41秒
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