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酔生夢死

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2007年12月26日
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カテゴリ:書籍


日本ホラー小説大賞短編賞「鼻」を含む短編集

ネタバレあり

[暴落]
社会の人間一人ひとりが株式市場に上場している架空の世界が舞台

優秀な学校を卒業し、優秀な会社で出世街道を走っていることが優良株の条件なのだが、それだけでなく、親友(持合株)、親族などによっても株価が影響を受ける、という設定が秀逸

それだけでなく、左遷された主人公が親友に離れられたくなくて本社に戻れるようなことを吹聴すれば、「風説の流布」にあたるし、身内の不正を知って株を売り抜ければ「インサイダー取引」

更に、没落した主人公はネーミングライツ(命名権)を売って、「インキンタムシに○○(製薬会社名)」などと呼ばれるようになる

単に評判で株が上下するだけならどーってことないが、現実の経済用語とリンクさせたところが面白い


[受難]
ある日男が気が付くと、ビルとビルの間に手錠で繋がれ放置されている

まるでSAWのような展開だが、男はそこで数人の人間と出会う

そして、当然その人たちは「助けてくれない」

なぜ周囲の人間は助けてくれないのか

その辺のやり取りが少し面白い


[鼻]
どこか架空の世界

そこでは鼻が長い「テング」と鼻の短い「ブタ」が存在した

ブタが大勢を占め、テングは弾圧を受けていた

そんな差別が激化する前、ブタである主人公である医師はテングの妻と子とつつましく暮らしていた

テングへの弾圧を知った主人公はテングたちを救うため、テング→ブタ転換手術を行うことを決意する


もうひとつの世界

主人公である刑事は、少女失踪事件を捜索している

自分のにおいに過敏な主人公は、無意識に臭いを嗅ごうとする犬野郎を許さない

隙を見ては暴行を加えていた

刑事は町内に潜むロリコン野郎が怪しいとにらみ、潜入を試みる

そこで待っていたのは子供時代にあったことのある人物

そのとき、二つの世界が重なる


二つの世界がそれぞれ語られ、最後には収束するタイプのお話

解説では絶賛され、確かに日本ホラー大賞短編大賞を受賞している

しかし、意図的に二つの世界が用意にくっつかないよう配慮されているため、終わった段階でも解説を読まなければ真相が分からなかった

本当なら最後の数行でずばっと隠されていたもうひとつの「見かた」が浮き出る形になっているのだろうが、凝り過ぎたか?

名前も二つの世界で意図的に重用しているが余計に分かり辛かった















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最終更新日  2007年12月26日 22時39分25秒
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