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玉山鉄二でドラマ化された「P.I.P(プリズナー イン プノンペン)」の続編
[物語] カンボジアで謂れのない罪で収監され脱出した井沢圭吾 カンボジアを脱出し、今回の舞台はフィリピン カンボジアから持ち出した金をだまし取られ、取り戻そうと乗り込んだカジノでさらに無一文となり、怪しげな日本人オカヤスの世話になる 日本人ボランティア強屋の貧困対策事業にかかわるうち、またも井沢はトラブルに巻き込まれていくのだった [観想的なもの] 「P.I.P.」の続編、だけど「P.I.P.」のほうはまだ読んでなかったり 全体の感想としては、全財産をかけたカジノの鉄火場の雰囲気や、おっとりとした日本では想像もできないような東南アジアでの油断のなさ、逆にゆったりと流れる時間などの描写は◎ 感じとしては「カイジ」や「ジョジョ」のような緊張感、頭脳戦といったところか マルコス政権下で何があったのか、アメリカがどう裏で糸を引いていたのか?というフィリピン版の歴史(と言っても近代だが)小説みたいなものも説得力があって面白かった。 一方で不満なところは、絶体絶命の場面で、(フィリピン人は儲け話に弱いという設定はあるにせよ)井沢の紡ぎだす架空の儲け話に簡単に引っかかりすぎw 魔法の杖となって面白みが欠ける また、最後のフガ島の対決では、絶体絶命のピンチにレジェンド・ジェネラル(伝説の将軍)登場! って誰やねん まるで仮面ライダーやウルトラマンが最後には正義は勝つ!みたいな陳腐な登場をするように子供騙し それまで、アロヨ、ラモスなど実在の政治家とのやりとりがリアリティを醸し出していたというのに・・・残念 さらに、井沢も最後、運命のコイントスの場面で紆余曲折あったにせよ、勝負を受けたはずなのに「悪人に対して約束を守る必要はない」というヒーローらしからぬ信念でもって勝負が決する前に相手を射殺 たまたま相手も同じことを考えていて僅差で勝利という感じだったが、端からルールを守るつもりがないというのはあの場面では"なし"ではなかろうか それよりはあの場面(井沢が勝てばラスボスが処刑され、井沢が負ければレジェンド・ジェネラルはすべてを忘れて立ち去る)で、井沢がいったん負けておいて、負けが確定した時点でラスボスを射殺、としたほうがよかった 勝負の条件は負けた方の処刑、ではないというところがミソ つまり、井沢が負けてもジェネラルの助けがなくなるだけで、その後井沢がどのように抵抗しようと誰も規制できない だったら勝負が確定した瞬間、自力で相手を倒し、ジェネラルを巻き込む形で脱出すれば、悪の組織<ジェネラルの権威だから逃げおおせると思うのだがどうだろう お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年02月21日 07時26分34秒
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