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カテゴリ:自然・ネイチャーのおはなし
シシウドに種が付いた8月18日の八島ヶ原湿原です。八島ヶ原湿原の博物誌 その9-6。
八島湿原の沼が見える丘に咲くシシウド。 あっちにもこっちにも八島湿原はシシウドの花が咲く。 あっちにもこっちにも八島湿原はシシウドの花が咲く。 シシウドの葉は丸い。ウドの葉に似ている。 オオカサモチの葉はセリのように鋭い切れ込みがある。 シシウドは大きな白い枝のような花を付けいるので標高の高い登山道などでよく目にする。 ここ八島湿原で7月5日目にしたシシウドは栄養分をよく吸っていて大きな花を咲かせていた。その花を次ぎに見たのは8月18日であり、花は未だ残っているものの7月見た白い花は茶色になって枝の先に種を付けていた。 一月半が経過してもまだ元気に花を付けているシシウドである。冬になっても枯れ野にその花の枝を広げ、次の花期までその存在を主張している。 シシウウドに似ているのがオオカサモチだ。 見れば大体区別は付くが栄養が足りない小さなシシウドがあり、栄養の良いオオカサモチがあるので迷うことがある。オオカサモチの葉は羽状に切れ込むのに対してシシウドは切れ込みがあまりない。 シシウドの葉はウドに似ており、オオカサモチの葉はセリに似ている。 同じように見える花を区別するのはまるで分類学をしているようだ。 シシウドの解説をウッキベディアから拾おう。次のように説明している。 シシウド属(シシウドぞく、Angelica)は、セリ科の属のひとつ。アンゼリカともいう。 北半球の広い範囲に分布している越年草または多年草。葉は羽状複葉か3出羽状複葉で、花は複散形花序になり、花弁は基本的に白色で、ときに紫色、緑色がある。果実は扁平になり、分果の側隆条が翼状に広がる。 ヨーロッパを中心に、古くから薬用・食用のハーブとして用いられている。日本に自生するシシウドやアシタバをはじめ、世界に80種ほどが知られている。 シシウドは、山地に生える大型の多年草で、根は太くごつごつした直根で白色をしていて、花茎(かけい)をつけるまでに4~5年かかり、花が咲いて実をつけると枯死してしまいます。 茎は太く中空(ちゅうくう)の円柱型で、直立して高さは2メートルにも達し上部で分枝して、茎葉には甘香がします。 葉は、大きく2~3回羽状に分裂する複葉(ふくよう)で、長さが1メートルにも達する場合もあり、葉柄(ようへい)の基部は鞘(さや)になって膨れていて茎を抱きます。 花は、7~8月ころ茎頂(けいちょう)に、大型の複合散形花序(ふくごうさんけいかじょ)に、白色5弁の小花を多数つけます。 果実は、両側に広い翼がある平たい楕円形の分離果(ぶんりか)で、紫色をしています。 新潟県には、葉裏に毛のないケナシミヤマシシウドが多く自生しています。 科名:セリ科/属名:シシウド属 和名:猪独活/生薬名:独活(どっかつ)/学名:Angalica pubescens 日本全土の山野に自生(じせい)する大型の多年草 採集と調整 シシウドの根は、太くゴツゴツした不斉形の直根で、秋に掘り取り、よく水洗いして縦割りにして、風通しのよい場所で陰干しにします。ほとんど乾燥したら、数時間日干しにして、仕上げの乾燥をします。これを生薬(しょうやく)で、独活(どっかつ)といいます。 薬効・用い方 独活(どつかつ)は、鎮痛、鎮静、血管拡張作用が知られています。 後背部の筋間や下半身の関節の風湿などで背部、腰部、臀部(でんぶ)、膝部(しつぶ)のだるい痛みや両足のしびれなどの症状に適しています。 しめつけられるような頭痛、頭がぼんやりするような場合、頭が重いときなどの感冒の場合にも効果があるとされています。 独活(どつかつ)10グラムを1日量として煎じて、3回に分けて服用します。 注意として、独活(どつかつ)は温性ですので、盛夏には用いない方がよいし、かぜで熱が高く悪寒(おかん)がない場合にも用いません。 リューマチ、神経痛、冷え性には、独活(どつかつ)300グラムを木綿の袋に詰めて、風呂に入れてそのまま沸かして、薬湯に全身をゆっくりと浸すと効果があるとされます。 その他 シシウド属の学名は、アンゲリカといい、ギリシャ語のアンゲリコスやラテン語のアンゲルスであって、天使のことを表します。 それは、シシウド属の植物には非常に薬効が著しいものが多くあるので、その効き目を天使の力にたとえたものです。 シシウドの名前の由来は、全体がウドに似ていて、ウドより大きく猪(しし)が食べる大きさということで名づけられたといいます。別名として大型のことから、馬うどという呼び名もあります。 シシウドは,山地の草地や林の縁に生える1回稔実性の多年草。大型の野草で草丈は人の背を越え2mほどになる。よく知られた植物だが,よく似たものが多く正確な識別は意外にに難しい。 まず,アマニュウはシシウドにない小総苞片があることで識別できる。北地に多い。 ヨロイグサは西日本に自生するやや稀な種で,小花序の数が,シシウドの30以上に対して30以下と少ない。 エゾニュウはさらに大型で北日本に生え,シシウドは葉の両面に毛があるが,葉の裏面だけに毛がある。 エゾノヨロイグサは,ほとんど無毛か葉脈上にわずかに毛がある。また花序はお椀を伏せたような形になる。 八島ヶ原湿原普通にいえば霧ヶ峰高原である。霧ヶ峰高原の北西部にあるのが八島ヶ原湿原(やしまがはらしつげん)だ。 霧ヶ峰高原には車山(標高1925メートル)の東側の下にある車山湿原(くるまやましつげん)があり、霧ヶ峰高原の交通の要衝である強清水の南側にある踊場湿原(おどりばしつげん)がある。強清水を起点にするとその北に位置するのが八島ヶ原湿原(やしまがはらしつげん)である。 諏訪湖は霧ヶ峰高原ほかの水を集めてできあがっているが、この窪みは中央構造線がつくりだしている。諏訪湖の周辺は広大な湿原を形成していたが人の営みは湿原に土を入れて踏み固めて温泉街と味噌工場と住宅地にした。 高島城は諏訪湖の浮かぶ城であるのだが、今ではその隣に諏訪市役所の庁舎があり住宅で埋まっている。 このような状態を指して自然破壊というのだ。しかし霧ヶ峰高原やその周辺の湿原に人が踏み入ると植生がどうしたのこうしたのと目くじらを立てる世の中になっている。 論理回路に矛盾があってもそのことに気づかないのが現代の人々だ。 野に咲く花は美しいと単純には言えない。諏訪湖の温泉宿に集まる行楽の人々は足元など見ないで夜空に打ち上がる花火を美しいという。かつて諏訪湖と一体になった湿原地帯にはいろいろな花が咲いて葦(ヨシもしくはアシ)のなかでオオヨシキリがきりきりと啼いて、さまざまな野鳥や水鳥が営巣していたのだ。 そのようなこととかかわっている霧ヶ峰高原の八島ヶ原湿原(やしまがはらしつげん)である。八島ヶ原湿原の面積は43.2ヘクタールであり、1万2千年前に出現しており、その下は8メートルほどの泥炭層だ。高層湿原としては日本ではいちばん南にある。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年08月25日 09時03分34秒
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