霧ケ峰高原のシラカバの木と蓼科山、北横岳の景色。1月に撮影。
計量計測データバンク ニュースの窓-3-
News material content collection of metrology databank №3
計量計測データバンク ニュースの窓-3-
├私の文章作成の信条(執筆 夏森龍之介)
社会には下司(下衆)な観念があります。いつの世も下司な観念で出来上がっているのが社会だと考えますと、下司を侮らない未学を軽んぜず、ということで、言葉を聞き分けていることが大事です。低劣な考えを聞き分ける、ように心がけます。科学の世界を時間軸で振り返るとすべてのことが覆されている、ということがわかります。今の時代の下司な観念に浸かっていることは、物事が見えていないことになるのです。世の中の下司な言葉、下司な観念を排除して自分の言葉で物事を考えることが良いのだと思います。世の中が使っていない自分の言葉を創り出して、その言葉で世の中のことなどを考えるようにするのです。学校でありきたりのことを学習してきた人は、世の中にあるそれらしい言葉を引っ張り出して、その言葉によって物事を考えようとします。このような言葉の使い方、思考方式に危うさを覚えます。上のようなことを考えますが、次のようなことをも私は思っております。修飾語は使わない。常套句は使わない。人が首をかしげる難しい言葉は使わない。辞書を引きたくなる漢字は使わない。接続詞は極力省く。文章を が で転換しない。カタカナ語は使わない。四文字熟語などは使わない。
火事場からの報道
火事場のどさくさでニュース報道をどのように書くのか。ちょっと考えると難しいことのように思える。しかし報道をするときに求められる記事要素、文書要素は簡単である。火事場に行かないまでも取材前に明らかなことがある。火事は何時あったのか。火事場は何処であるか。これは火事場に行かなくてもわかっていることだ。つづいて次のことを確認する。火事は消されたのか。類焼中であるのか。火事で誰が被害を受けたのか。火事の火元は何処で誰の家だったのか。火事は何故発生したのか。それでどうなった。
報道記事は次のことを要素にして構成する
1、何時
1、何処で
1、誰が
1、何を
1、どうした
1、何故そうなった、なぜそうした
1、それからどうなった
1、同じことが起こったらいいのか、起こったら駄目なのか
1、良いことならそれをどのように広める、駄目なことならどのようにすれば起こらないか
1、ほか、関係する事柄
もう一度述べる
何時、何処で、はあらかじめわかっている。誰が、何を、どうした、の3項目を調べて書き込む。何故、が追加されると内容がさらにわかる。上のことは創作力など要らない。見るがまま、あるがままを文章にすればよい。言ってみれば説明である。それからどうする、それからどうなった、がさらに追加されればもっとわかる。上のようなことだ。写真があれば添える。報道は頃合いをみることも大事だが早いことは何よりも大事である。強者(もさ)になると火事の報と聞いただけで上の要領で現場に行く前に記事をつくってしまう。現場では事実を確認して写真を撮るだけだ。
読み物となれば人を面白がらせることが要素に含まれる
ノンフィクション小説は、事実を集めて積み重ねた文章である。下手な創作よりも事実は小説の奇怪さを超えることが少なくない。小説の奇怪さを超える事実を文章にして作り出されたのがノンフィクションだ。井伏鱒二の「山椒魚」はユーモア小説のようにみえるが皮肉や様々なことを人に伝える。松本清張の「点と線」は不思議さを紐解くことの面白さがある。「坊ちゃん」では勧善懲悪と破天荒とが組み合わさった江戸っ子の啖呵切りが痛快だ。ノンフィクションもそうでない小説も説明の文章になっていてはならない。ならないというよりも説明の文章は面白みがない。報道記事や論説記事は説明でよい。読む人が知りたいことがわかればよい。そのための記事である。(世の中の文章慣れしない人が書いたものはただくだくだと説明している。カメラがどうした、レンズがどうしたという文章は説明文である。こうした文章が役立つとみえて万に達するアクセスが簡単に達成される。)
北杜夫と三島由紀夫との会話
山登りの記録を綴ったのを山行記録という。面白い場所、危険な場所が記録されていることが大事である。山行記録は面白くないから北杜夫のような医者でもある小説家に同行が求められる。北杜夫は「白きたおやかな峰」を書いた。カラコルム・ディラン峰(カラコルム山系、パキスタン、7,266m、世界93位)のことである。三島由紀夫は「たおやかな」は表現としてはおかしい。「白き」とするなら「たおやかなる」でなければならないと論じてきた。北杜夫も三島由紀夫も母親のことを「お母さま」と呼んでいたと北杜夫がばらしている。ともに上流の家で育ったお坊ちゃまだったのだ。
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