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2024年05月15日
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[再掲]計測の在り方と計測値の表示をめぐる諸事情         
    品質管理者が計測技術と計測器に無知であることを示す事例 
 
計測の在り方と計測値の表示をめぐる諸事情
計量計測のエッセー 


田植えを待つ稲苗。関ヶ原付近では夏至のころに田植えをする。

(タイトル)

計測の在り方と計測値の表示をめぐる諸事情

(本文)

 計量値の有効利用ということで、計量して得た値は繰り返し、重ねて利用されなければならない。これは計量管理の第一歩である。このように述べるのはかつて工学部に計測科の第一期卒業生の高徳芳忠氏である。高徳氏は大学を卒業して川崎製鉄所に勤務し製鉄業務にかかる品質管理あるいは計測管理に従事した。

 高徳芳忠氏は次の言葉を大事にする。英国のJ・トムソンは「科学は計測に始まる」と述べた。漢字の科学の「科」とは「禾(か)」といって稲や麦などの穀物の総称であり、科の片方をなす「斗」とは容量の単位である。科に学をつけて穀物などの容量を計ることという。この言葉を自らが計測の専門技術者として生きる糧(かて)にした。誤差論は計測管理の重要な位置を占める。現代では「不確かさ」という言葉で表現されるが日本社会の言葉として定着するか疑わしい。製鉄の現場ではストレーンゲージの技術進歩に目を見張り感激した。

 製鉄における計測管理の現場で仕事をしてきた高徳芳忠氏は他社のこととはいえ製鉄ほかの製造現場での計測値のごまかしを怒る。自分が現場にいたころにはそのようなことをしたことがない。「計量値の有効利用ということで、計量して得た値は繰り返し、重ねて利用されなければならない。これは計量管理の第一歩である」と教わりこれを実行してきたからである。

神戸製鋼所の計測データーの改ざん或いは最近のスバルにおける計測条件としての温度のごまかしなどをどのように理解すればよいのか。神戸製鋼所、スバルあるいは日産の不正行為によって製品の性能や品質に影響がでているかというと、数値から追跡する理論値として影響がなく、実際に製品に不具合は生じていない。

 神戸製鋼所とスバルなどがデータ改ざんという「不正」をしたことは間違いない事実である。その事実としての内容をどのように評価するかということもあわせて考えなければならない。製品の安全や性能に影響しないための安全率を見越して物は製造される。100という数値の安全率に10を上乗せして製品をつくっているときに、そのうちの1か2の数値を満たさない物に対して数値を100プラス10として表記するといったデータ改ざんであると考えればよい。或いはもう一桁下の部分の数値の誤魔化しだったかもしれない。測定における環境条件としての温度の設定の範囲をわずかに外れていたということなどはそのたぐいのことであるといえる。

 温度計メーカーの証言である。ある自動車メーカーはガラス製の精密温度計に0・01℃の精密さを要求した。何かのおりに検査をしたら0・01℃の精密さがなかったので製造会社を呼び出して叱責した。要求される精密さは0・1℃であった。0・1℃の精密さの温度計を納品したら偶然にもその温度計は0・01℃の精密さを実現していた。だから次ぎに納める品も同じ精密さのものにしろと、納入業者を呼びつけた。基準器の精密さを求めながら実際には1℃の精密さで足りた。その温度計は実際には使われていなかった。品質管理者が計測技術と計測器に無知であることを示す事例である。

 日産が無資格検査実施員による検査があったことが問題になりリコールを余儀なくされた。自動車工業会会長会社の当時の副会長の豊田章男氏は、検査方法の取り決めと実際の差であることを述べた。自動車の最終検査の取り決め方が自動車の安全と性能に影響していないことのニュアンスがある。取り決め方を見直すべきなのだ。

 神戸製鋼所のデータ取扱いの不正は騒がれなくなっていたがここにきて米国の司法当局が断罪のために動き出した。製鉄関係者もあの件は済んだことだと考えていたところで米国司法当局の動きにあわせて日本では東京特捜部と警視庁が立件に向けて神戸製鋼所東京本社を強制捜査した。同社製造品の納入先には米国航空機大手ボーイング社が含まれている。日本の納入先では安全率の面から性能と品質に影響しないと結論を出しているが米国では違う動きとなった。訴訟社会だからなのかこのことを盾にとって何かをしようとするためなのか米国では司法当局が動いている。

 スバルの元は中島飛行機である。現代でも普通の人には見えない状態で軍事がらみの仕事をしている。製造品目として軍事用飛行機などを分担生産している。分担の形をとるのは日本が軍事力を持たない平和国家であるという建前のためである。組み合わせれば軍用機になる。その内容は次のとおりだ。

 F-2戦闘機(主翼・尾翼等)、T-4中等練習機(主翼・尾翼・キャノピィ)、OH-1小型観測ヘリコプタ(尾翼・キャノピィ等)、US-1A救難飛行艇(主翼外翼・ナセル・尾翼)等、P-3C対潜哨戒機(主翼ライセンス生産)、U-125A救難捜索機(装備品取り付け・納入前整備)等、P-1哨戒機(主翼・垂直尾翼等)、C-2輸送機(主翼等)、ボーイング737(昇降舵)、ボーイング747(補助翼、スポイラー)、ボーイング757(アウトボードフラップ)、ボーイング767(YX共同開発、主脚扉・翼胴フェアリング)、ボーイング777(共同開発、中央翼・主脚扉・翼胴フェアリング)、ボーイング787 ドリームライナー(共同開発、中央翼)、エアバスA380(垂直尾翼構造)、ホーカー ホライゾン M4000(主翼構造およびシステム開発)、アグスタウェストランド AW609 ティルトローター機(胴体構造開発)、エクリプス・アビエーション エクリプス 500(主翼)、ボンバルディアDASH-8。

 日本では普段は問題にされなくてもときどき法令の建前が表にでる。それだけならよいが小さなことでも日本の新聞、テレビ、ラジオほかのマスコミは大問題だということで騒ぎだす。日常のどのような事柄も白か黒かというと灰色である。灰色は白の扱いをされていながら、ときおり黒に変化する。恐ろしき法治国家日本である。

【計量計測データバンクにおける関連記事】
計測の在り方と計測値の表示をめぐる諸事情
神戸製鋼所製造の素材は計測器性能に影響がない
日本計量新報2017年12月10日 (3175号)神戸製鋼所と日産の「不正」から何を学ぶか
日本計量新報2017年12月3日 (3170号)日産事件、神戸製鋼データ改ざんを他山の石とする
日本計量新報2017年11月26日 (3173号)計らないで計ったようにしてしまう品質工学
日本計量新報2017年11月5日 (3170号)計測のつじつまが連鎖しているのがトレーサビリティだ
日本計量新報2017年10月29日 (3169号)法令の建前がときどき表にでる日本社会





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最終更新日  2024年05月15日 00時00分12秒
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