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2024年05月16日
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計測のトレーサビリティと「あるドイツの小話」
Measurement traceability and “A German story”
「あるドイツの小話」
 農家の老婆がパン屋の主人に訴えられて、役人の取り調べを受けた。
 訴えによると、老婆が1kgと称して毎日パン屋に届けるバターの目方は、850gほどしかないのだそうである。
 そこで役人がたずねてみると、老婆は立派な天びんを使ってバターの目方を量っているのだが、困ったことに、孫が分銅をおもちゃにして見失ってしまった。
 「けれども」と老婆は自信を持って答えた。「私はパン屋で黒パン一キログラムを買い、それを天びんの片方の皿にのせ、それと釣り合うだけのバターをもうひとつの皿にのせて、パン屋に届けております。自分の方が違っているはずはございません」と。

計測のトレーサビリティと「あるドイツの小話」

この時計の時刻は午後7時前。ビールのコップの容量を問うやかましい人がいる。

(タイトル)

計測のトレーサビリティと「あるドイツの小話」

(本文)

 計測の精密さだの辻褄を「あるドイツの小話」から拾い出して説明したのが高田誠二氏。

 農家の老婆がパン屋の主人に訴えられて、役人の取り調べを受けた。
 訴えによると、老婆が1kgと称して毎日パン屋に届けるバターの目方は、850gほどしかないのだそうである。
 そこで役人がたずねてみると、老婆は立派な天びんを使ってバターの目方を量っているのだが、困ったことに、孫が分銅をおもちゃにして見失ってしまった。
 「けれども」と老婆は自信を持って答えた。「私はパン屋で黒パン一キログラムを買い、それを天びんの片方の皿にのせ、それと釣り合うだけのバターをもうひとつの皿にのせて、パン屋に届けております。自分の方が違っているはずはございません」と。

 解説しよう。パン屋のハカリは1㎏を850gとして計量していた。パン屋が1㎏として売ったパンは850gしかなかった。850gのパンを1㎏として取り扱ってこれと均衡させたバターは850gである。パン屋が1㎏と称して販売したパンが850gしかないことを知っていた。意図して目方をごまかしたのはパン屋だった。バターを売った老婆は基準の違うハカリを使う羽目になっていたのだ。

 大工は昔、家を建てるにあたって棟梁が示す差金に合せたモノサシを使った。ひとつの家を建てるのに基準が同じになっていれば寸法が合う。別の棟梁が別のモノサシでつくった家とは寸法に違いはでるが、それぞれひとつの家としては辻褄があっているので、家は建つ。

 棟梁ごとに使うモノサシの寸法が違っていたのでは寄せ集めた角材の組合わせることができない。現代の家の建築は木材を工場で加工して現場で組み立てる。モノサシの基準を社会として定め、これに皆が倣うことでビルも家も建つ。計測の辻褄、寸法の辻褄、精密さの辻褄を社会として統一して実施しているのが計測のトレーサビリティだ。

 米国の宇宙産業とロケットなどの開発と製造に関して、その部品ほかをどこの工場であちらでつくっても精密さの基準が定められ、必要に応じた精度で造られていれば、集めて組み立ることができる。計測標準のトレーサビリティこの分野での必要から出発した。

 元計量研究所部長で北海道大学教授、北海道大学名誉教授の高田誠二氏は、日本の産業計測標準のトレーサビリティを推進するために、数式を使わない説明として「あるドイツの小話」を使った。ここには不確かさなどという不確かな言葉は登場しない。不確かさは英語表現における日本語での確かさである。そこに精密さとか誤差要因があどが組み合わされて精密さの序列や関連付けを成立させる。

 温度標準分野の仕事で北辰電機、横河電機を通じて高田誠二氏と交流があった小川実吉氏は、計測標準トレーサビリティ制度は、JCSS(計量法校正事業者登録制度)をはじめとして産業界への定着に果たした高田誠二氏の功績を次のように話す。

 計測標準トレーサビリティ制度の先駆けは、1971年4月に始まった産業計測標準委員会といっても過言ではない。そこでも高田先生は多くの分野を横断的に取り纏める重鎮として務められていた。1974年に高田先生の指名を受けて温度標準の分科会に加わり、約2年間委員を務めた。この委員会は、1978年2月に将来への提言をして終息した。ここでの成果は、いくつかの議論が加えられ、1993年11月1日施行の計量法に計量標準供給制度の創設となったと思われる。

 計量法における計量取引と計量の証明は大きな括りとしては計測のトレーサビリティである。計量法における基準や標準の供給の仕組みは、実際の計量取引と計量の証明の精密さと辻褄が合う、いわば緩いめの内容となっている。質量標準は計測技術が実現できる最上にして現実的な内容として確立されている。最上級の精密さを実現していないと先端領域の科学や技術が求めに応じることができないからだ。取引と証明に要求される計量法の規定の精密さは、質量における目方による食料品の取引の場合には例えば1円単位かその前後になるように規定されていると考えればよい。金やダイヤモンドなど貴金属の商取引への計量法の関与のことはここでは述べない。

 高田誠二氏(たかだ せいじ、1928年3月24日から2015年)は東京府生まれ。1950年東京大学工学部計測工学科卒業、通商産業省中央度量衡検定所(のち計量研究所)に入り、温度計測や計量の単位の変遷などの研究に従事。1961年「金点における黒体放射の実現」で東京大学より工学博士の学位を取得。1970年『単位の進化』で毎日出版文化賞受賞。同年計量研究所研究企画官、72年第二部長。科学史の探求していて、1980年北海道大学理学部教授、1991年退官、名誉教授。久米美術館参事・研究員など。
 著書『単位の進化 原始単位から原子単位へ』『単位と単位系』『計る・測る・量る そのための七つの知恵』『熱エネルギーのおはなし』『計測の科学的基礎 情報生産論への道』『実験科学の精神』『科学方法論序説 自然への問いかけ働きかけ』『熱をはかる』『情報生産のための技術論』『計測の進歩とハイテク』『プランク』『維新の科学精神-『米欧回覧実記』の見た産業技術』『測れるもの測れないもの』『図解雑学 単位のしくみ』『「単位」がわかる』『久米邦武 史学の眼鏡で浮世の景を』『単位のカタログ 国際単位系に親しむ』(大井みさほ共著) 『「米欧回覧実記」の学際的研究』(田中彰共編著) ほか。

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最終更新日  2024年05月16日 12時17分05秒
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