|
カテゴリ:上橋菜穂子
「守り人」シリーズの隙間を埋める短編集。 バルサとタンダの幼少の記憶、そして老いた人々の豊かで切ない終末が描かれている傑作だ。 人の機微とは何という名状し難いものだろう。 それを上橋菜穂子は見事に描いている。 「ラフラ<賭事師>」では動機を描かない事で動機を強く想像させる。 何故老ラフラは最後にああいった行動に出たのか。 読後、老ラフラの想いを想像する時間までを含めてこの作品だ。 自分は正しく慮る事が出来ただろうか。 バルサが初めて人を殺す事になる表題作は白眉で、生涯を隊商の護衛に捧げた男の選んだ最後が同情を誘う。 盗人にも五分の魂とは。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017.09.16 14:40:51
コメント(0) | コメントを書く
[上橋菜穂子] カテゴリの最新記事
|