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カテゴリ:国内ミステリ
新本格時代に現れた旧本格の書き手二階堂黎人氏の処女作にして、名探偵二階堂蘭子の活躍譚。 因みに蘭子は本作に女子高生として登場し、最後には女子大生となっている。 跳梁跋扈する面妖な殺人鬼「地獄の奇術師」、密室等の不可能興味を蓄えた連続殺人、頭脳明晰な美少女探偵、古い時代設定・・・ドストライクだ。 雰囲気抜群である。 巻末に付された多数の注釈も面白い。 ロースンの短編、読んでみたいぞ。 トリックは驚天動地とはいかないが、巧く扱われている。 ただ、この犯人設定なら何でも出来るやんけとは思った。 そこが唯一の不満か。 真相に於いて最も面白かったのは、竹子と秀一親子殺害の動機だ。 成る程これなら密室トリックがしょぼくれていても充分許容出来る。 左手が無く顔が爛れていて包帯でぐるぐる巻きの犯人像や、拘束された主人公の眼前で犯人が少女の顔の皮を剥いでいく場面、梅女刀自や神父を始めとする醜悪なカトリックの解釈、真犯人との対決等、本当にわくわくする場面がてんこ盛りとなっている。 これこそが本格ミステリに求める雰囲気だ。 嗚呼、素晴らしいミステリの香り。 くんか、くんかくんか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.07.26 04:38:41
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