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2018.05.03
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カテゴリ:島田荘司
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島田荘司による御手洗潔ものの傑作歴史ミステリ。
ロマノフ王朝最期の王女アナスタシアを中心に、アナスタシア生存説と山中の芦ノ湖に突如現れた軍艦の謎について書かれている。
ロマノフ王朝の最期というと謎に満ちた悲劇で有名で、これに関したミステリもこれまで幾つか読んできたが、その内でも最良の作品と言える。

先ず山中の湖である箱根の芦ノ湖に、海を行く軍艦が出現したという謎が極めて魅力的だ。
しかも出現した当時湖全体が輝いていたというのだ。
壮大で幻想的な謎の創出は著者の専売特許とも言えるが、これは著者の作品群の中でも抜群のものである。
説得力のある真相も見事だ。

そしてアナスタシアの生存説。
アメリカ在住で自分こそがアナスタシアだと主張する老婆がいる。
ゴミ屋敷に住み、裁判でもロシア語を離さずアナスタシアである証拠を示さない。
誰もが狂った老婆と認識している。
その老婆をアナスタシア本人であるとする御手洗の名推理は必見である。
数々の矛盾を解きほぐしていく。
最後に約百頁に及ぶエピローグで語られるボリシェヴィキに追われたアナスタシアのその後は、実に残酷なもので胸を締め付ける。
しかしその半生の中には確かに感動の瞬間があった事も語られ、読後感は暖かみを帯びたものとなる。

悲喜交々深い感動を与えてくれる一冊だ。





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最終更新日  2018.05.03 09:26:43
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