カテゴリ:駅そば・立ち蕎麦(その他地域私鉄地下鉄)
駅そば立ちそば巡りを始めてよかったと思うことの1つが、こういうお店にひとりで入れるようになったことです。
関西はじめ、他でも庶民的な街で時々見かけるこうしたお店、それまでの私は「気になるけどひとりじゃ…」と躊躇してしまう方でした。美味しそうなお店には鼻が利くので「ここ絶対美味しいんだろうなあ~」と思っても、場違いかな…とつい尻込みしてしまうのです。 ――がっm9(`・ω・´)っ! 昨春以来駅そば立ちそばを200杯近く、軒数で言うと180軒を超える全国のお店で食べてきた今、尻込み癖はだいぶ改善され、気になるお店には(ちょっと様子を見た上でですが)だいたい飛び込めるようになりました。 ここはJR・南海・地下鉄等多数の路線が集まる大阪は難波駅近く。 地下鉄からなら歩いて2分もかからないセンター街中央付近、「551蓬莱」さんやセレッソのスタグルでおなじみ「わなか」さんの店舗を見ながら進んだ先の「天政」さん。ミナミのど真ん中ですね。 年に何度か関西に来てうろうろするようになった今なら「キタ」と「ミナミ」の違いもなんとなくわかるものの、初めて来た大学生の頃はそうした空気が全くわからず戸惑ったものでした。秋田育ちの私から見て大阪はまさに「外国」。梅田の人の多さにも戸惑いましたが、難波・心斎橋・アメ村辺りにはものすごいどアウェー感を感じてしまい、ひとりで歩くのが怖かったほどでした。 でも今は大丈夫╭( ・ㅂ・)و グッ !特に比較的人の少ない平日の午前中なら何の問題もありません。 というわけで「天政」さん。 大阪、特にミナミあたりで美味しい駅そば~庶民的な立ちそば屋さんはないかと探すと、情報がすぐにたくさん出てきたお店。見た目からしてたいへん美味しそうな雰囲気が漂います。 ただ、上述したような「場違い感」がないかとちょっとだけ歩く速度を緩めていると、そんな私の横をさっと通り過ぎ、迷わず入っていく上品なツーピース&高そうなバッグを持ったおばさま。こういう方が入っていくなら大丈夫だ!と思ってのれんをくぐりました。 店内は広めの厨房をぐるっと囲むコの字カウンター。隣席に邪魔にならないよう旅行用バッグを下に置き、目の前のお兄さんにあらかじめ決めてある注文を告げます。 ぱ「カレーそばと、あとかやくごはんは持ち帰りにできますか?」 お兄さん「いくつですか?」 ぱ「ひとつ」 お兄さん「カレーそばは食べて行かれます?」 ぱ「はい、それでお願いします」 明らかに慣れていない&標準語の私にお兄さんも若干戸惑っている様子が伝わるのは、今お店が空いているからです。平日の10時過ぎ、先客はさきほどの上品なおばさまと2人連れの男性。それも、食べ終えて出て行かれるぐらいのタイミングでした。 あからさまにきょろきょろするのは悪いかなと思いつつそれとなく観察。でも同じくカウンター前に立たれている大将もまた、慣れない様子の私をそれとなーく伺ってくれている感じがします。 厨房の後方で、注文を聞いてくれたのとは別のお兄さんがかやくごはんをパックに詰めてくれ、カレーそばとほぼ同時に出してくれました。 「カレーそば(360円)」と「かやくごはん(180円)」、計540円です。安い!! お品書きには持ち帰り価格が書かれておらず、てっきり容器代がプラスされると思っていたら同価格、しかも包みはずっしり。とはいえかやくごはんについては後述するとして、まずはカレーそばです。注文を聞いてくれたお兄さんにお金を払い、食べ始めようとすると「使います?」とお茶碗とれんげを出してくれました。気を遣ってくれています。とても気を遣ってくれている感じでなんだか申し訳ない。 そんな一方、注文を待つ間に隣に若いお兄さん2人が座りました。一見してちょっと職業がわからない、かなり若そうだけど学生ではなさそうな2人。服装はスカジャン+ジーンズにトレーナー+ジーンズ的なカジュアル系。しかも2人は職場の先輩後輩関係らしく「俺と一緒の時財布要らん言うたやろ」と先輩の方が仰っています。若いけど上下関係がきっちりしてるんだなあ、いったい何のお仕事だろう。 そう思いつついただくカレーそば。「カレーうどん」はよく聞きますが「カレーそば」って珍しいですよね。それも「天政」さんに来てみようと思った理由の一つ。カレーうどんではなく「カレーそば」を美味しかったとすすめる意見がネット上に多かったのです。 しかも私は前日天王寺でカレーうどんを食べています。2日連続カレー麺ですが、芸風が違う。ぜんぜん違う。うっわこれ美味しいよ、すんごく美味しいヾ(`・∀・´)ノひとり静かにテンションが上がっています。 おそばの麺は袋麺。やや細めで柔らかく、のど越しが良いタイプ。そんなおそばに絡むカレーは、いわゆる「カレーうどん」的な、あくまでだしが主でカレーが副な関西風ではなく、スパイスと辛さがが先に来る大人の味です。 うわーこれ美味しい、やっぱりうどんじゃなくおそばにしてよかった!と内心うんうん頷きつつ食べ進みます。でも熱いので時間がかかります。その間にお隣のお兄さん方はそれぞれの注文の品を食べつつ後輩君の「辞めようとしている同期」に関する話および見解を経て先輩さんの人生論・仕事論的なお話に展開。勉強になります╭( ・ㅂ・)و グッ ! きっちり食べ終え、さきほどのお兄さんがいなかったので大将に「ごちそうさまでした」と言うとちょっと驚かれた感じで「えらいおおきに。ありがとうございました」。…やっぱり気を遣われている感がなくもありません。だって他のお客さんには「おおきに」あるいは「いつもおおきに、気ィつけて」だったんです。でもそれが全然嫌な感じじゃない。「また来てや」と言われているような感じだったんですよね。 ――というような話を帰京後に関西出身兄さんにすると「ああ、関西の人は同じ場に入ってきた人は仲間みたいな意識を持つから、そういう感じで輪に入れてもらえたんだよ」と教えてくれました。よかった。ありがとうお店の方々m(_ _)m そしてかやくご飯、帰って開けてみたら 明らかに店内で食べるより多いΣ( ̄口 ̄*) ごはん茶碗、女性用だと3杯分くらいあります。しかもつけあわせの昆布もたっぷりと丁寧にホイルで包んでくれており「なんてサービスがいいんだ・・・!」とびっくり。 しかもこれが ものすごーーーく美味しいo(゚ロ゚o) 周りの人に力説したくなる美味しさでした。うどん(そば)のだしで炊いているというごはんには細かく刻んだ干し椎茸、人参、こんにゃく、油揚げ、かまぼことあとちょっとお肉っぽいもの(すじ?)が入ってコクがあり、家庭では出せない味。ついついお代わりしたくなります。その夜遅くに帰って食べたダンナさんが翌朝「あれどこの!?すごいうまかった」と元気に言って来るくらい。180円はバチが当たりそうです。 店内のお客さんのことを書いたのは「それぐらいいろんな層の人が当たり前に来ている」ことを表現したかったからで、大阪らしい懐の深さを感じました。これからも大阪、いや関西に行って寄れそうなら絶対行くであろうとってもいいお店。行けてよかったです。ごちそうさまでした! ・実食日:2017年10月26日(木)10時すぎ ・立地:地下鉄・JR・南海難波駅徒歩3分ぐらい ・席タイプ:コの字カウンター椅子席、計20席程度 ・清潔感、広さ:★★★☆☆3.0(とてもレトロです。きれいな店舗ではないですが老舗感がとてもいい。入ってみると、思ったより広いです) ・お店の方の雰囲気:★★★☆☆3.5(本文に書いた通りです。さすがだなあと思いました) ・メニューの魅力:★★★☆☆4.0(きざみやスタミナなど、関西らしいメニューが揃っていて魅力的です) ・女性でも入りやすい度:★★★☆☆3.5(本文に書いた通りです。入ってみると全然大丈夫!) ・リピートしたい度:★★★★★5.0(絶対にリピートします!) 天政 (うどん / 大阪難波駅、難波駅(南海)、近鉄日本橋駅) ちなみに、お隣のお兄さん方の会話から「だから俺あいつのテーブルつかんやろ?」と聞こえてきて職種がわかりました。朝10時に仕事明けのごはんを食べにくる2人なので夜のお仕事だろうとは思ったものの、特段派手ではなかったし、香水等もつけてなかったのでわからなかったな。そういうお店行ったことないので、その意味でも勉強になりました(`・ω・´)キリッ この時は天皇杯アウェーセレッソ戦の翌日で、あまりに良いところがない試合で少々ショックを引きずっており、殊に美味しさと気遣いがしみました。今季はそんなことばかりだった気もしますが、ひとりであちこち出かけた分、ほんとうに自分が気に入るお店を全国にいくつか見つけられたように思います。それを来季に活かせないのが残念ではありますが(´;ω;`)ウッ…、またその辺りもまとめて書ければと思いまーす(○´∀`)ノ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.12.13 07:19:49
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