アルプス五千尺の長野県上高地、今日は若葉です。
山岳リゾート地の上高地、長野県中西部に位置し安房峠道路で岐阜県と接しています。年間百数十万人も訪れる上高地は、中部山岳国立公園のメッカになり、北アルプス穂高連峰に向う登山家や、大正池・河童橋・明神池などを巡る観光客とが行き交う場所になります。そんなことで今回は、長野県安曇村(現松本市)で若葉の季節を迎えた上高地のご案内です。 上高地はシーズンを通してマイカー乗り入れ禁止です。長野県側は沢渡駐車場(1,500台)、岐阜県側は平湯駐車場(900台)からシャトルバス(乗車25分)を利用することになります。昔々、駐車場からあふれた路上駐車列が数キロにも及んだ大渋滞、当然、ゴミが散乱し植生環境(トウヒ、ハルニレなど)が荒らされる深刻な事態になりました。そこで'75年から夏場だけの規制、そして'96年から年間を通じての規制になり、自然環境保護が強く打ち出されました。観光地での交通規制の草分け的存在で、小生の初訪問は制限開始前の乗り入れになります。 左の写真2葉が最近の大正池風景、右1葉が40年前で名物の枯れ木・倒木は健在でした。 トンネルを抜け最初に目にする感動の上高地光景は大正池、95年前の大正4年焼岳大噴火によって梓川が堰き止められ、水没し、枯れ木の林立風景を見せてくれる所になりました。今日は生憎の雨降り模様、お天気野郎も時には不運・・・でも最初の訪問時に比べ枯れ木・倒木の数が大激減、土砂流入で池から湿地帯化している様子も窺え、時の経過に逆らえません。 「アルプス一万尺 小槍の上で アルペン踊りを さあ踊りましょう ・・・・」と歌われるアルプス一万尺の曲(原曲はアメリカ民謡)、上高地は丁度半分の標高5千尺になります。シャトルバスを大正池ホテル前で下車、生憎の雨降り模様で様子見にホテル喫茶室で一休み、それから身支度して河童橋まで約1時間の散策スタートになります。梓川沿いの自然研究路林間コースは、大正池・田代池・ウェストン卿レリーフなど尋ねながら向うことになります。好天であれば焼岳を背に、前方に穂高連峰を望みながら歩くという絶好のコースになります。 歩き始めて時間は丁度昼時、途中の上高地帝国ホテルに寄り道ランチです。山小屋風の建屋一室、オムライスandハッシドビーフ一人前、税・サービス込み3,109円。格別の味でした。上高地を基地にして、北アルプスの槍ヶ岳や穂高を目指すアルピニストは、明治中期頃から徐々に盛んになって来ますが、そんな需要を満たすためなのかホテル創設は75年も前に遡ります。 碧緑色の清流梓川、印象深いこの川は槍ヶ岳(槍沢)を源流として、犀川・千曲川・信濃川となって日本海に注ぐ一級河川です。河童橋から上流にある明神池、片道1時間程の道程になりますが右岸・左岸を散策しながら、植物や野鳥を愛でるのも楽しみ時間です。その奥にある穂高・北穂の基地、穂高連峰北側の巨大カール涸沢の山小屋で1泊したいのですが、登り6時間下り5時間、家内も一緒だと流石の老兵健脚小生でも躊躇する場所になります。 上高地のシンボルは河童橋、梓川に架かる木造の吊り橋は5代目になります。 積善のあなたには、好天に恵まれ写真のような穂高連峰の大パノラマ請け合いです。 上高地名物の吊り橋「河童橋」、梓川に架かる長さ36.6m、幅3.1mのカラマツ材で造られた橋で、現在の橋は平成9年に架け替えられた5代目、記念撮影には欠かせません。ここでの醍醐味は、何と言っても上流に穂高連峰、下流に焼岳、清流梓川等など・・・神が舞い降りる地と称されるほど美しい所になり、山を愛する人達には憧れの由縁になります。明治43(1910)年に初めて架けられますが、命名は近くに河童出没の話でもあったから・・・!昭和2年に芥川龍之介がこの地を訪れ、印象を小説「河童」として発表した因縁もありました。次回は下総国(千葉県北部)、水郷佐原地区(現香取市)のハナショウブなどを予定しています。