
地球人スピリット・ジャーナル2.0につづく
「ブログ・ジャーナリズム」 300万人のメディア
湯川 鶴章・高田 昌幸・藤代 裕之 2005/10 野良舎 224p
★★★★☆
このブログ、テーマや方向、内容などがすこしづつターゲットをしぼられつつあるとして、そのターゲットがしぼられればしぼられるほど、さらに、次ぎなる課題というものがでてくる。
例えば「ブログ・ジャーナリズム」というカテゴリを三本柱のひとつに選択したとして、じゃぁ、ブログ・ジャーナリズムをどうしたいのか、という「動的」なイメージが見えてこない。一般的にそのカテゴリをウォッチしていくのか、あるいは方向性もなく評論だけしていくのか、あるいは自らの重要な視点としてしっかり据えるつもりでいるのか。
敢えていうなら「ブログ・ジャーナリストになりたい」「ブログ・ジャーナリストになろう」「ブログ・ジャーナリストとして」くらいのステップで変更していくべきカテゴリであろう。そして、その「ブログ・ジャーナリスト」という言葉は、そこからさらに単に「ジャーナリスト」という名称にさえ変更していってしかるべきである。
ジャーナリストとは、職業を表すとともに、ひとつの生き方を表しているはずだ。この本「ブログ・ジャーナリズム」は中堅のマスメディアで活躍する「記者」などが、実際にブログを書き、その反応をみながら、2005年10月にまとめた本だ。
それぞれの体験をつづり、おすすめブログなども紹介されていて、なかなか参考になる。ただ、一年前のネットの状況と現在のネットの状況では、ほぼ様変りしているに違いない。また、ブログという言葉は多用されているが、SNSについての記述はほとんどない。
ブログとSNSの関連は、今後、もうすこしこまかく見ていこうと思うが、この二者間には、大きな違いがあることがはっきりしてきているし、その補完的性格も、今後、もうすこし見極められていくことになるだろう。
この本に対する違和感は、まず、ジャーナリストがブログをどう利用するか、どうとらえるか、という論点になっていることである。それは、著者たちの置かれていう状況から考えて当然のことだが、私がかりにこれからブログを始めようとした場合、電車の下り線に乗るのか、上り線に乗るのか、くらいの大きな違いを感じる。
マスメディアに属する「記者」が個人名でブログを活用する方法というのと、個人が個人としてブログを使いつづけていけるか、というテーマでは、おのずとブログやその他その周辺に対する見方はどんどん変わってくる。
その辺、どう違うのかは、これから、このカテゴリをもっと積極的に使っていくことによって、自分の混然としている思いが表面かし、まとまりを持っていってくれればいいなぁと思う。
この本を読んでいて、新たに浮上しているテーマは、ブログを実名で書くか、匿名で書くか、ということである。私の場合は、30年も使っているニックネームで書いているので、ほぼ個人を特定されてしまうのだが、実名を使っても構わないと思っている。
ただその場合、ニックネームを使った場合の自分のキャラの在り方と、実名を使った時のキャラの在り方が違うので、自分なりには、さまざまな付属的な自己調整が必要とされると思う。