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地球人スピリット・ジャーナル1.0

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2009年4月1日

地球人スピリット
・ジャーナル2.0


へ引越しました。

2006.10.17
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カテゴリ:マルチチュード
「非対称化する世界」 『〈帝国〉』の射程 
トニ・ネグリ他 2005


 マルチチュードについての適当な新書本でもないものかな、と探してみたが、まだいまのところ目にしていない。そこでこの本を読むことになったのだが、この本、ハードカバーで244pにもなる本だ。実は、9人の文章からなる本であり、読みようによっては、小さな本を9冊読むような感覚だ。だから、その迷宮にはまりきってしまう、ということはない。

 まず読みはじめて思ったのは、自分が<マルチチュード>という概念に関心を持った過程が、過去において、アルビン・トフラーの<第三の波>に引きつけられた過程と似ているなぁ、ということだった。

 あの当時は、60年代、70年代の左翼的「敗北感」の中で、新しい思想の潮流が求められていた時代だった。その中に登場したトフラーは、農業革命、産業革命、に次ぐ第三の革命として<情報革命>の到来を予言したのであった。

 あれから4半世紀、まさに世はトフラーの予言した通り、情報の渦の中に飲み込まれてしまったような21世紀の世界になっている。ところが、最近のトフラーの著書「富の未来」を読んで、私は率直に言って
「トフラー老いたり」という感想を持った。

 そこに今回登場したのは、ある意味、マルクス主義や共産主義を、あらたに21世紀的にとらえ直したかに見える「<帝国>」あるいは、<マルチチュード>という概念である。あがなえる縄の如しと言うか、今から25年前当時は、左翼的運動や言辞はすでに光を失い欠けていた。そこに現れたのが情報革命の第三の波の概念である。ところが、今回は、情報革命まっただ中において、あらたなる左翼的革命論が復活してきた、というような構図になっている。

 私には、これらの事象について、まだちょっとしか触れていないので、いまのところは周辺知識や雑多な情報を集めている段階だが、いくつかの私なりの直観と、いわゆる研究者達の評価あるいは批判というものが、一致する点もあるようだ。

 まず、西谷修が短い評論の最後に述べていることは、私にとっても一番気がかりなことであった。

 おそらくこの本(「<帝国>」引用者注)の最大の欠点は、西洋近代が「宗教」と呼んで他者化してきた事象に関する抜本的な考察である。p22

 マルチチュードという変革の主体とされる存在が魅力的であればあるほど、そのスピリチュアリティはどうなっているのか、ということに私は関心があった。たしかにスピリチュアリティを宗教と同一なものとすることはできないが、しかし、なんであれ過去において、宗教というジャンルでスピリチュアリティが語られてきた時間は相当に長かったのである。

 この本の中では、ネグリ&ハート、ネグリ/ハート、ネグリとハートといくつかの表記がされている。他書ではネグリ=ハートという表記も散見された。これはトニ・ネグリとその弟子のマイケル・ハートという二人の思想家の手による本が「<帝国>」なので、このように列記される。このブログでは混乱をさけるため、二人というニュアンスの強いネグリ&ハートという表記で統一していこうと思う。

 かれらは、「マルチチュードとは多種多様性のことであり、もろもろの特異性からなる平面、諸関係からなる開かれた集合体のこと」と定義している。p78

 このへんも実はとても気になる。まずは地球人スピリットという概念においては、まず、自立する個人がまず最初にイメージされなくてはならない。そして、その個人個人がネットワークでつながる時に、新たなネット社会ともいうべき新しい「場」のエネルギーを創る、というイメージがあった。

 ところがマルチチュードは、「多様性をもった群集」というニュアンスが強いようなのである。これは、今後、すこしづつ文献にあたるなどして、より明確にして行かなくてはならない。

 また、ネグリ&ハートの世界においては、軍事、通貨、コミュニケーションという三層が語られているが、地球人スピリットにおいては、「軍事」がすっぽり抜け落ちている。このへんは相互補完的にお互いが歩み寄れるのか、あるいは非和解的に平行線をたどる概念同士なのかは、今のところ判断がつかない。

 あるいは1968年のパリの五月革命をマルチチュードの起点とするかの言辞もある。私も70年安保当時は両手をつないで大通りを闊歩した「フランスデモ」の体験者だが、あの時からすでにマルチチュードはやってきつつあった、というとらえかたがあったとすれば、私は、敢えてイエスと言いたい。ヘルメットをかぶった武装闘争ではなく、素顔で平和に行進する姿は、マルチチュードと言われるにふさわしいと思う。

 いずれにせよ、だいぶ長い間わすれていた左翼的表現に接して、半ば新鮮、半ばあきれ顔なのだが、できれば、もっと新しい言語体系で組み直して欲しいなぁ、という希望はもっている。

 なお「<帝国>」については、超分厚い本だが、現在貸出し申込中なので、そちらを一度とにかくページをめくってみようと思っている。





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Last updated  2009.02.04 18:48:58
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