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カテゴリ:シンギュラリティ
「ネットvs.リアルの衝突」 誰がウェブ2.0を制するか
佐々木俊尚 2006/12 文春新書 いやはや、ひっぱるひっぱる、winny話題で、280ページのほぼ半分を使ってwinny問題をリポートする。それもそのはず、著者はこの問題にかなりの注目していたと思われる。 この本を書くきっかけになったのは、Winny事件である。私はこの事件を発生当初から取材し、二年間に及んだ裁判についても、京都に足を運んで公判のほとんどを傍聴してきた。 Winny裁判の展開は、しかし私には不満だった。弁護団が「金子勇被告は著作権を侵害する意図はなく、単にP2P技術に興味があって、その技術を検証するためだけにWinnyを開発した」と主張したからだ。p281 著者はブログを書いている。そしていくつも気になる本も書いている。 1961年生まれの著者ではあるが、1960年代のヒッピームーブメントからネット社会への流れを書き出し、さすがに元「月刊アスキー」の編集部に勤務していたというだけあって、記事の切味はいい。MSのビル・ゲイツ、アップルのジョブス、GNUのリチャード・ストールマンと同世代の私としては、なんともうれしい視点を持ってくれているジャーナリストの1人だ。 本書は、インターネットの中におけるP2P、特に中央サーバーをおかないピュアP2Pの革命性に着目し、なお、次のステップにおいては、オープンソースの必然性を説く。そして最終章において、MS囲い込みの中で、中国や日本が、オープンソースを利用しようとする姿を暴きだす。まさに「ネットvs.リアル」を書き出そうとしている。 見渡しみると、私の周りには、ネット関連で生計を立てている友人達は多い。ホームページ立ち上げサービス業、パソコン教室経営者、銀行関連インフラ業者、PCマニュアル翻訳業、ソフト制作者、ケータイ用プログラマ、家電量販店PC売り場担当、大学スパコン保守SE、公共団体用ソフト業者、メーカー管理者。そして、これからその業界を目指そうとする学生達もいる。 その中にあって、私は、ほんとにPCの初期の頃に、小さなベイシックなプログラミングを組んだことがある程度で、ほとんど1人のPCユーザーという域をでない。上に書いた同世代のPCやネット界の巨人達についても、せいぜい、ネット社会が浮上した1995年以降に意識し始めたにすぎない。 そんな私だが、願うことは、インターネットの健全な成長だし、オープンソフトのますますの活躍だし、国家という権力者たちが必要以上に規制を高めず、ネット社会から建設的な世論が形成されていくことである。つまりは、Web2.0のますますの進化、ということになる。 そのようなごくごく当たり前な一ユーザーとしての希望や夢だが、あまり無邪気なことばかりもいっていられないような状況であることは、この本を読んでいるとわかる。とくに私には、中国の存在がどうも気になっている。Googleについても、そのありかたにクレームをつけ、Googleもその権力に屈しているように報じられている段階で、どうも私は、この中国がインターネットの進化にストップをかけ、大きく破壊行動にでてしまいかねないようにさえ、思える。 現在、「聯想(Lenovo)(上)」という本を読み始めている。IBMのPCを買収した中国の公社についての内幕レポートである。 いづれにせよ、ジャーナリストの視点としての佐々木俊尚の言論活動が今後も継続的に良質の情報をもたらしてくれることを期待している。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.02.04 20:45:45
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