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カテゴリ:シンギュラリティ
「検索エンジン戦争」 インターネットの覇権をめぐる興亡と争奪戦の物語 ジェフ・ルート 佐々木俊尚 2005/8 アスペクト 「戦争」とはこれまた、ただならぬ表現である。戦略とか覇権とか支配とか、ビジネス用語は、おどろおどろしい単語が並ぶことが多い。しかしこれでメゲていては、ビジネス書やマネジメントの本は読めないことになってしまう。本当はあまり好みの言葉ではないが、子供たちが見るようなアニメやスポーツのルールブックでも読むような感覚で、読み飛ばしていくことも必要だろう。 この本、英語人が書いて日本語に翻訳されたものかと思ったが、実は、アメリカ人と日本人、二人のライターによる合作の書き下ろしである。時は2005年中盤。私自身のことを思えば、いきなりSNSの招待を受け、久々にネットの波に飲まれようとしていた時期だ。 著者のひとりジェフ・ルートは「ヒッピームーブメントが最高潮に達した1969年に生まれた」ということだが、なんだか可笑しい。ヒッピームーブメントが、21世紀の現在においても、それほどまでに意味があるのか、疑問もあるが、パソコン文化やインターネット文化の背景にある「自由な世界」の発想が、そのヒッピー文化の流れを汲むものと見るならば、その生まれた年を誇る気持ちもわからないでもない。 片割れの佐々木俊尚は、このブログでも何度か取り上げており、最近では「ネットvs.リアルの衝突」を読んだ。そこには、読後感想として「ジャーナリストの視点としての佐々木俊尚の言論活動が今後も継続的に良質の情報をもたらしてくれることを期待している。」と記しておいた。比較するとしたら、「ウェブ進化論」の梅田望夫よりも、硬派なジャーナリストのイメージがあるし、より「自由な世界」の擁護論者のように思える。 本文においてはGoogleとYahoo!とMSの三社の検索エンジンの攻防戦が主テーマとして書かれており、この手の情報は最近やや食傷気味であるので、割愛する。むしろ面白いと思ったのは、オープンソースで展開されている検索エンジン、nutch、日本語ではナッチ。このnutchは現在ところ他の三大検索エンジンには技術的にもスケール的にも及ぶべきものはないが、大手による寡占状態をよしとせずに、オープンソースの炎を燃やし続けようとしている。 「情報は自由であるべきだ」 「ソースコードはすべてオープンソースであるべきだ」 「どこの国の政治家が何を言おうと、ウェブには国境線はない」 インターネットの世界で語られ続けてきたそんな文化、そんな論調は、徐々に霞んでいってしまおうとしている。p250 本書発行の段階ではまだ「ロングホーン」という開発名だった、MSの次期OS(現Vista)に検索エンジンが組み込まれるかどうか、ということも、本書の話題になっている。いまだにWin2000やLinuxを使っている私は、MS情報に疎いのだけど、たぶん、これについてはMSは断念した、ということなのだろうか。 あるいはこの本がでた段階では、まだ話題になっていなかったYouTube(2005年2月にアメリカのカリフォルニア州・サンマテオで設立)が、現在では大きな話題になっており、それをGoogleが買収したことによって、さらに検索エンジンのシェアばかりではなく、Googleという企業の可能性がますます注目されてる。 僕らはこうしたアメリカのシステムが、いいの悪いのとあげつらおうとしているわけではない。言いたいのは、政治やビジネスがいかに検索エンジンに影響しうるか、という話だ。そして、この話は現在の状況の中ではきわめてリアリティは高いと思う。インターネットの商業主義的なスピリットと、表現の自由のスピリットは、しょちゅう軋轢を生んでいて、みんなのウェブマーケティングの戦略にも影響を与えかねない。p249 思い出してみれば、このブログは「地球人スピリット・ジャーナル」だった。個人的なオタク的関心でどうしてもウェブ関係の三面記事的ニュースには面白さを感じてしまうのだが、このブログとどう繋がっていくのか、自分でもわからなくなる時がある。しかし、こういう局面で、スピリット、という単語を使ってくれると、かろうじてリンクを張るきっかけができた、とホッとする。 商業主義的なスピリットと、表現の自由のスピリット、どちらをとるのか、といわれれば、私は勿論、後者と取る。このブログを書き続けているのも、その心意気のひとつとして自分に課しているものだ。しかしである。開設後500日を経過して、獲得したアフェリエイトが120ポイント(120円相当)である、というのもいかがなものか。武士(ではないが)は食ねど高楊枝、ボロ(これは本当)は着てても心は錦(かどうか)、とスマしてみても、ちょっと犬の遠吠えにさも似ている。 ゾルバ・ザ・ブッタとは言わないまでも、商業主義的なスピリットと、表現の自由のスピリット、このバランスにはもっともっと、敏感にならざるを得ないと思う。大いなる反省を込めて。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.02.05 00:58:38
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