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地球人スピリット・ジャーナル1.0

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2009年4月1日

地球人スピリット
・ジャーナル2.0


へ引越しました。

2007.02.08
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カテゴリ:シンギュラリティ
「量子コンピュータとは何か」より続く

「天の向こう側」
アーサー・C・クラーク 山高昭・訳 2007/02 ハヤカワ文庫

 ジョージ・ジョンソンの著作のエピローグが極めて印象的だった。ここでクラークの著作を読めばいいのだが、SFといえども私はフィクションを時間をかけて読むのが得意でもなく、また、ごく最近再刊されたものだから、リクエストしてもすぐには読めない可能性もあるので、長文だが、ジョンソンの著作のダイジェストを引用しておく。219p

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ロスアモスからバジェ・グランデというカルデラを越えて車を60キロ走らせると、カトリックの修道院と禅宗の僧院のあるヘメス・スプリングという町に着く。風景が一変し、敬虔な雰囲気に包まれると、1950年代にアーサー・C・クラークが書いたあるSFが思い出される。

 この物語は、チベットの高僧がマークVという最新コンピュータを購入しに、ニューヨークへやってきた場面から始まる。戸惑うメーカーの社長に、彼はこう説明した。ヒマラヤの修道院の僧たちは、現世における人類の使命はすべての神の名を列挙することだと信じている。そのため書記たちは三世紀にもわたって、彼らが考案した特別なアルファベットのあらゆる組み合わせを書き下ろしている(彼らはある理由から、すべての神の名は9文字以内で書けると信じている)。

 この作業にはほぼ1万5000年かかるだろうと彼らは考えていた。デジタルコンピュータの存在を知るまでは。マークVを使えば、すべての組み合わせをたった数ヶ月で列挙できるのだ。猿がタイプライターを叩くように、ほとんどの組み合わせは意味を持たないだろう。しかし一覧表のどこかには、必ずすべての神の名が記されているはずだ。

 メーカーは装置と2人の技術者を送ることに合意した(高僧はアジアの銀行に大金を蓄えていた)。

 3ヶ月後、場面はチベット高原に移る。あきれた西洋人からシャングリラ計画と名付けられたこの大事業も、終わりに近づいていた。ディーゼル発電機から電力を供給され(僧院のマニ車を回転させるのにも使われた)、マークVは文字の書かれた紙を次から次へと吐き出していった。僧たちはそれを大きな台帳にせっせと貼っていった。

 物語は、チャックという名の技術者がある厄介な事実を知ることで、クライマックスに突入する。僧たちは、最後の名が書かれると世界は終わりを迎えると信じていたのだ。人類存在の目的はそこで達成さえるからだ。彼と相棒のジョージは、最初はバカにしていたものの、徐々に心配になってきた。プリンターから最後の紙が打ち出されても、なんの異変も起きなかったら、僧たちはどうするだろうか? 暴れだしてコンピュータの番人に詰め寄ってはこないだろうか? 2人は、最後までここに留まるのはやめようと決めた。

 最後の場面、2人は馬に乗って曲がりくねった道を下り、谷底に止めたアメリカに戻るための飛行機を目指した。ジョージは言った。「コンピュータは処理を終えただろうか? ちょうど今がそのころのはずだ」

<チャックが返事をしなかったので、ジョージは鞍の上で振り返った。彼はチャックの顔を見た。真っ白な卵型の顔は空を向いていた。
「見ろ」とチャックが小声で言った。ジョージは視線を空に向けた(すべてのものには必ず終わりがある)。頭上では、星が一つ一つ静かに消えていっていた。>


 ここで物語は終わる。
 1950年代のデジタルコンピュータを手にした僧たちは、突然想像もつかない能力を手にした。われわれの文明も、実現不可能な夢を抱いている。今クラークが物語を書き直したら、僧の代わりに困難な問題に取りつかれたコンピュータ科学者を登場させることだろう。そしてマークVの代役は量子コンピュータのはずだ。科学にとってこの物語がどういう意味を持つのか、それは徐々に明らかになってくるだろう。現在のところこの疑問は、クラークお得意の空想世界の中でしか答えられない。どんなに優秀な科学者でも、この物語がどう展開していくかはわからない。心躍らせる何かを見つけるのは、必ずしもコンピュータおたくとは限らないのだ。
「量子コンピュータとは何か」ジョージ・ベンソンp219ヨリ

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Last updated  2009.02.04 20:35:48
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